管継手SWとBW(違い,使い分け,略,注意点,溶接しやすさ)
初心者溶接工が,必ずつまずくのが配管の記号。
溶接が仕事なのに配管の記号でつまずいてやる気をなくし,溶接業務に支障が出てしまう。
【配管の基礎知識】シリーズはそんな初心者溶接工のために始めたシリーズ。
今回で6回目となる。
ステンレス配管のTP-AとTP-Sの違い,STPG370「SとE」の違い,スケジュールとは?,SUS304とSUS304Lの違い,SUS304とSUS316の違いを知りたい方は過去記事を読んでほしい。
配管の種類や記号は多種類あり一気に覚えるのはかなり困難だが,一つの種類を深く知ることによって応用がきくこともあるので初心者溶接工の内は,焦らず確実に理解していって欲しい。
【配管の基礎知識】SUS(ステンレス)配管TP-SとTP-Aの違い,英語の意味,使い分け(メリット・デメリット)とは?
【配管の基礎知識】STPG370「SとE」の違い,英語の意味,370とは?,使用範囲(温度,圧力)
【配管の基礎知識】Sch(スケジュール)とは?【規格,呼び方,種類】
では,管継手SWとBW(違い,使い分け,略,注意点,溶接しやすさ)について解説していこう。
管継手SWとBWの違い
管継手SWとBWの違いは,
- SW・・・差込み(ソケット)溶接
- BW・・・突き合せ溶接
の違いとなる。
溶接式管継手には差込み溶接式(SW)と突合せ溶接式(BW)がある。
差込み溶接式管継手(SW)は、継手本体に使用する鋼管を差込み溶接によって接続する継手のこと。
突合せ溶接式管継手(BW)は、継手本体の開先部と使用する鋼管の先端を突合せ溶接によって接続する継手のこと。
管継手SWとBWの使い分け
図面指示や客先指示がある場合などは指示に従うのが原則だが,知識として突き合せ溶接(BW)と差込み溶接(SW)はどう使い分けているのかを知っておいて損はない。
突き合せ溶接(BW)にするか?
差込み溶接(SW)にするか?
悩んだら以下の観点から,SW,BWどちらにするか選択しよう。
配管接続は,配管口径2B(50A)以下のものは「差込み溶接(SW)」とし,2 1/2B(65A)以上のものは「突き合せ溶接(BW)」とする。
配管系統によっては溶接部に振動等によって応力の集中が懸念される場合には,2B以下のものでも突き合せ(BW)とすることがある。
なぜ2B(50A)以下が差込み溶接(SW)かというと,2B以下は配管内径が小さいため突き合せ溶接(BW)とすると,裏波が管の内径をさらに小さくしてしまい閉塞の恐れ,流量低下の恐れが出てくるため。
特に15Aや20Aを突き合せ溶接(BW)する時は,注意が必要。
管継手SWとBWの略(読み方)
管継手SWとBWは英語表記の頭文字。
- SW・・・Socket Weld(ソケットウェルド)
- BW・・・Butt Weld(バッドウェルド)
管継手SWとBWは現場用語では,
- SW・・・エスダブ又はソケット又は差込み
- BW・・・ビーダブ又は突き合せ
人それぞれだが上記の言い方で表現することが多い。
例えば・・・エスダブの生でヨンブのスケハチTigで2層巻きしてこい!とか,ビーダブのサスでスケトーTigでナメつけだけしといて!とか。
呪文ように聞こえるが現場では略や俗称で呼ぶこと(エスダブ,ビーダブなど)が多い。
管継手SWとBW使用する時,注意すること
管継手SWとBWを使用する時に注意することとしては,
SWの注意点
- ソケットと配管の間に隙間を設けること
- 黒皮や汚れなどを取り除くこと
- すみ肉溶接となるため溶け込み不良に注意すること
- 溶接は2層以上入れること
- SWフランジは内側から溶接すること
特に気をつけて欲しいのが,ソケットと配管の隙間を設けること。
溶接中に配管が伸び割れや溶け込み不良の原因となるため隙間の確保は必須。
関連した記事を下記にリンク載せておくので,合わせて読んで欲しい。
BWの注意点
- 裏波が出過ぎで管が閉塞していないこと
- 裏波不良や溶け込み不良がないこと
- 黒皮や汚れなどを取り除くこと
- 管仕様などが図面指示通りであること
特に気をつけて欲しいのが,裏波の出過ぎで管が閉塞していないこと。
小口径管は裏波の出過ぎに注意。
下手な溶接工だと裏波で管の半分埋まっているなんてこともあるので,溶接する際は裏波の調整をしてほしい。
関連した記事を下記にリンク載せておくので,合わせて読んで欲しい。
管継手SWとBWの溶接しやすさ
管継手SWとBWの溶接しやすさは溶接工で意見が分かれる。
俺は突き合せ溶接(BW)の方が溶接しやすいし,検査がRTやPTなので溶接後も安心できるので,突き合せ溶接(BW)の方が好きだ。
差込み溶接(SW)は一見するとすみ肉溶接なので楽と考えがちだが,突き詰めるとすみ肉溶接の方が難しい。
差込み溶接(SW)はソケットと配管の隙間に溶け込み不良が生じやすく,完全溶け込みにはかなりの技術を要する。
検査もPTが多いため内部欠陥を見逃しやすい。
まとめ
管継手SWとBWは溶接タイプの違い。突き合せ溶接か差込み溶接かの違い。基本的な知識だが意外と知らないことも。
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下記の部分間違えていますよ。
管継手SWとBWは現場用語では,
SW・・・エスダブ又は突き合せ
BW・・・ビーダブ又はソケット又は差込み
うわーーーありがとうございます!!間違い部分訂正いたしました。これからもよろしくお願いします。