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【配管の基礎知識】SUS(ステンレス)配管TP-SとTP-Aの違い,英語の意味,使い分け(メリット・デメリット)とは?

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【配管の基礎知識】SUS(ステンレス)配管TP-SとTP-Aの違い,英語の意味,使い分け(メリット・デメリット)とは?

 

溶接工
溶接工
ステンレス配管のTP-SとTP-Aの違い・英語の意味・使い分けって知ってますか??

 

ステンレス配管TP-SとTP-Aの違いは以下の通り

種類英語の意味使い分け
TP-Sシームレス管継ぎ目なし価格・強度・肉厚などで使い分ける
TP-A電縫管(アークウェルディング)電気抵抗溶接同上

ざっくりいうと上記の表で覚えれば問題ない。

今回記事の各項目で深く掘り下げているので,合わせて読んでもらえれば理解が深まる。

 

【配管の基礎知識】シリーズは初心者溶接工のために始めたシリーズ。

配管の種類や記号は多種類あり一気に覚えるのはかなり困難だが,一つの種類を深く知ることによって応用がきくこともあるので初心者溶接工の内は,焦らず確実に理解していって欲しい。

 

配管の基礎知識シリーズはコチラ

 

今回は配管の仕様でステンレス配管のTP-SとTP-Aに絞り,違い,英語の意味,使い分けを記事にしたいと思う。

SUS(ステンレス)配管の種類 TPとは?

SUS(ステンレス)配管には大きく分けて3種類ある。

  1. 構造用・・・航空機、自転車、車両、建築等の構造物に適用。
  2. 配管用・・・配管用は4種類あり主に一般的な配管に適用。
  3. 熱伝達用・・・ボイラ等の熱交換用の配管に適用。

今回は②の配管用のステンレス配管の説明。

 

②配管用はさらに4種類に分けられていて

  1. 配管用ステンレス鋼鋼管・・・TP
  2. 配管用溶接大径ステンレス鋼鋼管・・・TPY
  3. ステンレス鋼サニタリー管・・・TBS
  4. 一般配管用ステンレス鋼鋼管・・・TPD

 

TP-S,TP-Aがあるのは①の配管用ステンレス鋼鋼管のこと。

 

①の配管用ステンレス鋼鋼管は一般的に一番よく使われていて,ステンレス鋼鋼管といえば①配管用ステンレス鋼鋼管をさすことが多い。

むちゃくちゃわかりやすい参考ページ

ステンレス管の種類

SUS(ステンレス)配管 TP-SとTP-Aの違い

配管用ステンレス鋼鋼管は2種類ある。

  1. TP-S
  2. TP-A

ここからが本題だが,違いはSとAの違いは何か?ということになる。

TP-Sとは継ぎ目なし鋼管(シームレス管)のこと。

TP-Aとは電気抵抗溶接鋼管(電縫管)のこと。

 

継ぎ目なし鋼管(シームレス管)とは?

継ぎ目なし鋼管(シームレス管)とは、その名のとおり、パイプの長手方向に溶接や鍛接による継目(シーム)のないパイプのこと。

 

電気抵抗溶接鋼管(電縫管)とは?

鋼板を管状に丸め、その継目を溶接して製造される。

SUS(ステンレス)配管 TP-SとTP-A英語の意味

TP-SとTP-Aの本質的な違いは分かったが英語の意味を知ることによってさらに理解が深まると思う。

T・・・Tube(チューブ)

P・・・Pipes(パイプ)

S・・・Seamless(シームレス)継ぎ目なし

A・・・Arc welding(アークウェルディング)電気抵抗溶接

※シームの意味が継ぎ目,断層って意味なので電気抵抗溶接管のことをシーム管という場合もある。

SUS(ステンレス)配管 TP-SとTP-Aの使い分け メリット・デメリット

ではどういう場合にTP-SとTP-Aを使い分けるのか?

TP-S(シームレス管)のメリット

  1. 剛性がある
  2. 肉厚管が作りやすい

溶接部がないため、パイプの全ての部分において同一の剛性が得られるのが特徴。また、一般的に外径にくらべて肉厚が厚いパイプ製造が比較的容易。

TP-S(シームレス管)のデメリット

  1. 寸法精度や表面性状がよくない
  2. 価格が高い

製造方法上、高い寸法精度が得られ難く、パイプの表面性状もあまり良くない。そのため、必要に応じて冷間伸管などを行い、寸法精度や表面性状、強度を高めなければならない。

 

TP-A(電気抵抗溶接管)のメリット

  1. 薄肉管が作りやすい
  2. 価格が安い

薄肉パイプの製造に最適なだけでなく、表面性状がよく、押出パイプに必ず発生してしまう、「偏肉」が皆無になる。

TP-A(電気抵抗溶接管)のデメリット

  1. 継ぎ目の溶接部から割れやすい(強度)
  2. 変形しやすい

鋼板を丸めて継ぎ目を溶接するため継ぎ目部分は強度面でシームレス管と比べると劣る。継ぎ目部分は溶接してあるため変形しやすく取り扱いに注意しなければならない。※ちなみにJIS溶接試験のTN-Pで使われるのはTP-A。

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SUS(ステンレス)配管の主流はTP-S

最近の建設現場ではほとんどがTP-S(シームレス管)。

 

SUS(ステンレス)配管は一旦敷設するとほぼ長年使用になるため,TP-A(電気抵抗溶接管)の継ぎ目部からの割れやリークを恐れTP-S(シームレス管)を選択することが多い。

またTP-Aは継ぎ目を考えながら(継ぎ目部分を流体が流れないように上向きにするなど)敷設しなければならないので施工効率も若干下がる。

デメリットである寸法精度も最近では問題になることが少ない。

価格は高いが一生使えると考えれば納得がいく値段ではある。(電気抵抗溶接管の約2倍はする)

失敗談:聴き間違いには気をつけよう…

建設現場では英語で表記・表現することが結構多い。

・シームレス=継ぎ目なし

・イナートガス=不活性ガス

・ウェルド=溶接

など。

俺は工業高校卒業の溶接工。

英語力なんてほぼゼロで会社に入り現場で建設用語を覚えてきた。

ネット環境も若い時はなかったので現場で言われた言葉をメモし家に帰って辞書などで意味を調べて勉強していた。

今回記事のTP-S,TP-Aで言えば,シームレスのことをを俺はかなりの間(恥ずかしい話だが5年近くは間違えていた)チームレスと聴き間違えずっと使っていた。

ダサっ!

カッコわる笑

溶接工
溶接工
ームレス管は高いっすね!

とか

溶接工
溶接工
ームレス管は安心っすね!

とか今思い出しても恥ずかしいし,周りの反応も微妙な空気感だったのもうなずける。

 

何が言いたいのかというと,英語の聴き間違いや覚え間違いには注意しないと話の説得力がグーーーンと下がるので注意しようってこと。

いくら溶接うまくても能力疑われる。

たまにネットでググって再確認のクセをつけることをオススメする。

TP-SとTP-Aの違い まとめ

まとめ

TP-SとTP-Aの違いはシーム(継ぎ目)の有無。

最近の主流はTP-S。

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