【重要】アークストライクの防止策と補修方法【ダメ!絶対】
また製品にアークストライク出して怒られました…。
なんかいい対策ないですか??
アークストライク出してしまった時の補修方法も教えて欲しい。
アークストライクは溶接欠陥だから,軽視しないほうがいいね。
防止策と補修方法教えるね!
本記事の内容は以下の通り
- アークストライクとは?
- アークストライクがダメ!と言われる理由【溶接欠陥】
- アークストライクを特に注意する場所
- アークストライクの防止策
- アークストライクの補修方法
この記事を書いている俺は「溶接歴25年超」の熟練溶接工。
保有資格は,JIS溶接技能者(TN-P,T-1P,N-2P,C-2P),溶接管理技術者2級,管施工管理技士1級。
要するに,現場歴が長い職人。
本記事は,アークストライクの防止策と補修方法を解説した記事。
- 溶接始めたばかりの人
- アークストライクがダメな理由を知りたい人
- アークストライクって何?
上記のような人は,ぜひ参考にして欲しい。
アークストライクとは?【溶接欠陥】
アークストライクは,JIS Z 3001-4において,
母材の上に瞬間的にアークを飛ばし、直ちにアークを切ったときに生じる不完全部
と定義されている。
実際の現場では,
- アースが不完全で製品と作業台などがパチパチっ!
- ホルダーに溶接棒を挟んだまま置いてしまい材料と接触!
- トーチスイッチを踏んでしまい材料にアークを飛ばしてしまった!
みたいな事が多いと思う。
つまり,スパーク痕。
母材や作業台に,ちいさな痕がついてしまう「アレ」のこと。
溶接不完全部となり,溶接業界では【溶接欠陥】として扱われる。
ちなみに,英語表記は『arc strike』。
アークストライクがダメ!と言われる理由【溶接欠陥】
先日,アークストライクについて下記のようなツイートをした。
【重要】溶接初心者用
『アークストライク』って知ってますか??
製品と作業台などがパチパチっ!となり,スパーク痕が母材についてしまうアレです。
『溶接欠陥』となり,
・強度低下
・材質変化
・応力集中
・母材亀裂
・外観不良などの不具合に。
アークストライク発見したら放置は絶対NG! pic.twitter.com/hb9HqCYcQE
— Mac好きな溶接工@職人の概念をぶっ壊す! (@kaisyabaibai) August 15, 2021
【重要】溶接初心者用
『アークストライク』って知ってますか??
製品と作業台などがパチパチっ!となり,スパーク痕が母材についてしまうアレです。
『溶接欠陥』となり,
・強度低下
・材質変化
・応力集中
・母材亀裂
・外観不良などの不具合に。
アークストライク発見したら放置は絶対NG!
- 溶接熱が瞬間的に加わり『急熱急冷』されること
- 通常時は滑らかな材料表面に『凸凹』ができること
などの理由から,
- 強度低下
- 材質変化
- 応力集中
- 母材亀裂
- 外観不良
を引き起こすため,アークストライクは【溶接欠陥】=ダメ!となる。
アークストライクを例えるなら,
- 車のウィンドウガラスに小さな傷
- 風船に爪を立てる
みたいなもん。
確かに,良くなさそうですね…。
何かの「起点」となりそうな。
アークストライクは見た目からすると『たいしたことないじゃん』・『こんなもんで割れるか!』・『大袈裟な』と思うかもしれない。
しかし,事実として『発電所』・『石油プラント』・『船』などで不具合の「起点」となり大きなトラブルの原因になっている。
アークストライクってやばいじゃないですか!
マジギレされる理由わかりました。
アークストライクを特に注意する場所
アークストライクを特に注意する場所として,
- 曲げ加工部
- 荷重が集中する場所
- 材質が硬い材料
は要注意。
具体的には,
梁,配管ヘッダー,炉,支持床,高温高圧配管
などの主要構造物。
上記のような材料に,アークストライクを飛ばすことは許されない。
ご法度とされている。
アークストライクの防止策
アークストライクの防止策は,
- ホルダーを置く時には,溶接棒は挟まない
- ホルダーに挟んだ溶接棒は振り回さない
- アースは溶接する母材で取る
- 作業台に直接製品を不用意に置かない
- トーチは地べたに置かない
- 溶接しない時には溶接機の電源をOFFにする
という基本的なこと。
誰でも技量なしで,すぐに実践できることばかり。
つまり,『アークストライクは職人の恥』と言える。
ギクっ!
って言う俺もたまにあるけどね(テヘペロ♪)
あるんかい!(笑)
溶接初心者はアークスタート時にもアークストライクを出してしまうことがあると思う。そんな時はコチラの記事をどうぞ→【被覆アーク溶接】アークの出し方,コツ【簡単アークスタート方法】
では,不覚にもアークストライクを出してしまった時の補修方法はどうすればいいのか?解説していこう。
アークストライクの補修方法
不覚にも主要構造物にアークストライクを出してしまったら,
アークストライク部を凸凹を無くすように慎重に磨く(スムージング仕上げ)
⇩
アークストライク部と周辺のPT検査
⇩
磨きすぎにより肉厚が減っていないかの肉厚測定
⇩
再発防止策
とするのが主要構造物に対する,アークストライクの補修方法。
とにかく,スムージング仕上げが重要で材料表面の凸凹を無くすことに命をかけてほしい。
かといってグイグイ削るのではなく,ソッと撫でるように磨くこと。
- 生たまごの表面をグラインダーで磨くように
- 生まれたての子犬を扱うように
- 1万円がかかったジェンガを取るように
慎重に,慎重に,アークストライクを無き物としてほしい。
『細かすぎるだろ!』と思うかもしれないが,実際,『主要梁』・『ボイラーチューブ』や『主要配管ヘッダー』などでは慎重すぎて損することはない。
ちなみに,重大事故につながらない製品については,磨いてペンキ塗って終了とする場合がほとんどだけどね。
なるほど〜。
アークストライクを出してしまった対象物によって補修方法も違うんですね!
磨くのは一緒だけどね!
放置だけは絶対にNGだよ。
アークストライクの防止策と補修方法:まとめ
アークストライクの防止策
- ホルダーを置く時には,溶接棒は挟まない
- ホルダーに挟んだ溶接棒は振り回さない
- アースは溶接する母材で取る
- 作業台に直接製品を不用意に置かない
- トーチは地べたに置かない
- 溶接しない時には溶接機の電源をOFFにする
アークストライクの補修方法
- 磨く→必要に応じて検査→再発防止
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