溶接の知識

【耐圧試験と気密試験の違い】サルでもわかるように現役溶接工が解説

【耐圧試験と気密試験の違い】サルでもわかるように現役溶接工が解説

 

溶接初心者
溶接初心者

耐圧試験と気密試験の違いって何?

水?空気?何で試験すればいいの?

 

溶接工
溶接工

配管の完成検査で何百回も耐圧・気密試験に立ち会ってきた現役溶接工が答えます。

 

本記事の内容は以下の通り

・耐圧試験と気密試験の違いがわかる【サルでもわかる】

 

・耐圧・気密試験の注意点がわかる【10個ある】

 

・耐圧・気密試験の長年のノウハウがわかる

この記事を書いている俺は「溶接歴25年」の熟練溶接工。

保有資格はJIS溶接技能者(TN-P,T-1P,N-2P,C-2P),溶接管理技術者2級,管施工管理技士1級。

要するにベテラン溶接工で溶接の専門家。

 

本記事は,耐圧試験・気密試験の違いについて書いた記事。

試験要領は?水?空気?試験中に圧力が下がる場合は?という疑問がある人におすすめの記事。

 

耐圧試験・気密試験の違い【サルでもわかる】

耐圧試験・気密試験の違いは以下の通り。

耐圧試験とは・・・設備が静的圧力に安全に耐えられる強度を有することを確認すると共に,漏洩のないことを確認する試験。この内,水を用いて行うものが水圧試験である。

 

・気密試験とは・・・設備内部の流体が気体又は液化ガス等の場合には,使用状態において気体等が漏れ出ないことが必要であり,最高使用圧力以上で気体によって気密性を確認する試験を気密試験という。

 

溶接初心者
溶接初心者
超まどろっこしいんっすけど…

 

溶接工
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簡単にまとめるね!

・耐圧試験・・・破壊試験(変形や強度の確認)

・気密試験・・・リークテスト

って感じかな。

耐圧試験と気密試験は「全くの別物」で製品に求める性能も違う。

 

下記に例として「ボイラー等及びその付属設備」の耐圧試験と気密試験の違いを比較する。

目的圧力試験媒体判断基準
耐圧試験破壊試験最高使用圧力の1.5倍破壊,変形等がないこと
気密試験漏洩試験最高使用圧力以上窒素漏洩のないこと

※試験の圧力は各種法令,基準で変わってくるので注意(例:高圧ガス,電気事業法,ガス事業法,安全衛生法,JIS基準)

保持時間も各種法令,基準で変わる。

 

溶接工
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どんな法令,基準に基づいて試験するのか把握するのが大事!

 

耐圧・気密試験の見落としがちな注意点【10個ある】

下記に例として,「両フランジつき配管」の耐圧・気密試験のイメージ図を紹介する。

耐圧・気密試験の注意点を下記に紹介する。

・圧力計は「正・副」2個を取り付ける・・・2つの圧力計で目視することで数値の信頼度を高めるため。校正された圧力計が2つあれば尚良い。

 

・空気だまりができないように空気抜きをする・・・空気だまりがあると圧力が安定せず管内圧力の上下動が起きるため。

 

・試験媒体の水・窒素などの温度変化に気を付ける・・・温度変化があると圧力が上下動し規定圧力保持が困難なため。直射日光などでも意外と圧力は変化する。

 

・止水弁が漏洩する場合もあるので事前に確認する・・・止水弁が漏洩していると規定圧力まで上がらないため。

 

・耐圧試験後に気密試験をする・・・耐圧試験・気密試験両方検査する場合は,耐圧試験で管の健全性を確認した後,気密試験をしたほうが安全なため

 

・どんな法令・基準に基づいて検査するのか確認する・・・保持時間,規定圧力,検査項目など法令・基準によって違うため試験前に確認する必要がある

 

・関係者以外の立ち入りを禁止する・・・管の変形,パッキン面より漏洩があった場合最悪事故につながるため

 

・耐圧試験はなるべく水で行うこと・・・圧縮状態では、液体より気体の方が内在するエネルギーが大きいから=気体は危険度が高い。

 

・気密試験の気体は必ず爆発の危険がない気体(窒素,アルゴンなど)で行うこと・・・酸素,プロパンなどは使用禁止

 

・圧力ポンプの空気抜きも忘れずに行う・・・空気がいつまで経っても抜けないため。

耐圧・気密試験が設備上できない場合

耐圧・気密試験が設備上できない場合も多々存在する。

そんな場合は各種法令・基準に乗っ取って欲しいが,代替試験によって耐圧・気密試験の代わりとすることがほとんど。

非破壊検査の「放射線試験」・「超音波探傷試験」・「磁粉探傷試験」・「浸透探傷試験」を代替試験としている。

「放射線試験」+「磁粉探傷試験」とか,「超音波探傷試験」+「浸透探傷試験」など,「内面」+「外面」の欠陥を発見する検査方法を組み合わせることが多く,2種類の検査方法で代替としていることが多い。

 

耐圧・気密試験中に圧力が「上がる又は下がる」場合

耐圧・気密試験中に圧力が「上がる又は下がる」場合どうすればいいか?

 

試験圧力が「上がる又は下がる」場合に考えられる原因は,

・空気だまりがある

・外気温度に変化がある

・試験液体・気体に温度変化がある

・漏洩している

・試験対象物が圧力に耐えきれず変形している

などが考えられる。

 

複合して上記の原因が起こっている時もあるので注意して対象物を観察し原因を探るしかない。

それでも原因不明で圧力が上がったり下がったりする時は,加圧又は減圧し試験を続行する。

漏洩や変形がなければいいのだから,圧力保持は絶対ではない。

耐圧・気密試験の判断基準を試験前に確認し圧力保持にこだわる事がないようにしよう。

耐圧・気密試験時の事故事例

<気体による耐圧試験中の事故例>

都市ガスの高圧導管の耐圧試験(試験圧力 3MPa)を窒素ガスで実施していたと
ころ、突然、閉止板が吹き飛び(約 100m 飛翔)、大きく反転した導管に巻き込ま
れて作業者 1 名が死亡、3 名が重軽傷を負うとともに、近接建物の窓ガラスを割る
などの物的被害が生じた。(平成 20 年 8 月、新潟県)

 

<水による耐圧試験中の事故例>
球形タンクの耐圧試験のため水圧で加圧中に、縦方向の継手でぜい性破壊が発生
し、3/4 周に渡って割れが進行してタンクが 2 つに割れた。(昭和 43 年)

・圧縮状態では、液体より気体の方が内在するエネルギーが大きいこと。

・設備の破損等に伴って圧力が解放された場合、液体は体積膨張が極めて小さく、周
囲への影響が小さいのに対し、気体は急激な体積膨張(狭義の「爆発」)が起こり、
爆風を生じたり、破片を飛ばしたりするなど、周囲への影響が大きいこと。

 

気体による耐圧試験は非常に危険でなるべくなら避けなくてはならない。

気体による耐圧試験の事故事例は枚挙にいとまがない。

どうしても実施する場合は事故の可能性を考慮し周囲に近寄らなくて済む治具や装置を準備した上で耐圧試験を実施するべき。

事実,現場では耐圧試験を気体で行うことはほぼない。

水で耐圧できない場合は非破壊試験で代替するほうが良い。

 

溶接工
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気体で耐圧試験は怖い!と覚えておこう。

耐圧試験と気密試験の違い:まとめ

まとめ

耐圧試験・・・破壊試験(変形や強度の確認)

気密試験・・・リークテスト

 

・耐圧・気密試験を実施する場合には注意すべき点がある。

・耐圧・気密試験は圧力は絶対ではない。

・気体で耐圧試験は危険が伴う。

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