職人として生きる覚悟があるかどうか?
俺が溶接工になったのは,学校の就職担当の先生に今の就職先を勧められてたまたま入社した先が,溶接関連の仕事をしていたから。溶接がしたかったわけでも憧れていたわけでもない。消去法で選ばれた就職先に就職しただけ。
職人の世界で生きる覚悟があったかどうか?と聞かれると「全くなかった」という答えになる。ではなぜこういう記事を書こうかと思ったかというと,就職する前にこういうことを知っていれば現在はもっと腕が上がっていたと思うし,職人に向くかどうかの判断も,もっと早くつけられたのにという後悔からきている。
これから職人の世界で生きていくという選択をした人に向けてこの記事を捧げたい。
【職人の世界】での覚悟 1.学歴は関係ないこと
職人の世界では学歴は全く関係ない。
むしろジャマなぐらいだ。東大出てようが,早稲田出てようが腕が悪ければ扱いは悪くなる。しかしながら東大や早稲田出てる奴は,問題解決能力や容量がいい奴が多いので,頭の良さを生かせれば腕が伸びるのが早いのは間違いない。バカな奴はどの会社行ってもバカなのは変わらない。
覚悟がいるのは学歴によって順列はつかないってこと。ひたむきに勉強したり,腕を磨いたりする覚悟が必要となる。
【職人の世界】での覚悟 2.孤独であること
新入社員のころや駆け出しのころは色々と面倒を見てもらえるが,ある程度経験年数を重ねると教えてもらったりとかはなくなる。わからないことは自分で調べるか経験するかの2択となる。
知っていて当然のことはプライドがジャマして聞けない人が多いし,聞いても教えてくれないことがほとんど。問題を解決するにはそれなりに考えなければならない。
誰にも頼れないのは不安で,頼れるのは自分の腕だけとなった時に職人としての覚悟がいる。
【職人の世界】での覚悟 3.人間関係がきびしいこと
職人の世界には気難しい人や怒鳴り散らす人がいるのも事実。そういう人とどう折り合うかが職人を続けていけるかどうかの分かれ道。いつの時代も職人気質にあわない若い人は存在するし,そういう人は辞めていく。
職人として生きていくためには人間関係に気を使わない図太さも必要。いちいち怒られるのを怖がったり気にする人は職人には向かない。
職人として生きていくには人間関係を割り切る覚悟が必要。
【職人の世界】での覚悟 4.真剣に向き合うこと
職人の世界は奥深く,誰でもできる仕事ではない。それなりに難しい技術や知識を要する仕事が多い。
その代わり難しい技術や知識を習得できた時や,やり遂げた時は達成感が何者にも変えがたい。
溶接で言えば素人ではできないような狭隘部を鏡を使って溶接したり,水が止まらない箇所の溶接を成功させたりがそれにあたる。誰でもできる仕事に達成感はないし,満足感も得られない。
仕事と真剣に向き合えるかどうかは職人としての覚悟が必要だろう。
【職人の世界】での覚悟 5.自分自身に勝てるかどうか
仕事がつらいと反動で暴飲暴食をしたくなる。たまには自分にご褒美とかなんとか理屈をつけて,つい無駄に消費したり健康を害するような行為をしてしまう。
すごーーーーくわかる。今でも残業続きのたまの休日や出張先ではハメをはずして遊びたくなる衝動がある。しかしながらそこをコントロールできるかどうかで一流,二流の分かれ道なような気が最近している。
俺が尊敬する先輩はどんなときでも淡々と溶接しストレスが無いように見える。完全に自分自身をコントロールできている。
職人の世界で一流になるためには自分自身に勝つ覚悟がないと勤まらない。
【職人の世界】での覚悟 6.しきたりや慣習を壊すこと
職人の世界はしきたりや慣習がきびしいイメージがあるが,一流の職人ほど気にしない。少数派のほうが正しい場合が多いし,ほとんどの職人がマイルールを持っている。
最低限のルールは守らなければならないが,かたくなにしきたりや慣習を守る必要はない。いい考えや,やり方は自然と生き残るし,悪いやり方は残らない。
職人の世界で生きていくには古い考えやしきたり,慣習などはぶち壊す覚悟が必要だ。
【職人の世界】での覚悟 7.一点集中バカになること
職人というと聞こえはいいが,悪く言えば一点集中バカとも言える。野球の松井秀喜やイチロー,サッカーのメッシなどはその分野には特化しているが他のことは普通の人なみだろう。もしかすると普通以下かもしれない。
職人として生きる覚悟が必要なのは他の分野を切り捨てる必要があること。職人は広く浅くではなく,狭く深くになる。
一点集中バカになってもいいかどうかの覚悟は職人として必要だろう。
まとめ
職人として生きる覚悟を知ることは自分の将来を考える上で絶対必要なこと。中途半端な気持ちで職人を目指すと年齢を重ねた時に後悔する。
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