関電の金品授受問題は建設業界の常識だ!
関西電力の役員らが高浜原発のある福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)らから多額の金品を受け取った問題。
「関電の金品授受問題」が世間を騒がせている。
建設業界に「溶接工」として25年間携わってきたが,ニュースを見て驚きはなかった。
俺の感想としては,
だった。
建設業界では,「パチンコ玉は景品に換える」「ソープランドは浴場」と同じぐらいの感覚。
建前上は「金品のやりとりなんてあるわけない」だが,裏では「金品のやりとりがない建設業なんてない」って感じ。
今回は建設業界の闇について,建設業に「溶接工」として25年携わり見聞した経験から記事を書いてみようと思う。
建設業界の大前提:一般職員は金品は貰えない
「関電の金品授受問題」が世間を騒がせると関西電力の社員全員が悪者みたいに見えてしまうが,一般職員は金品はおろか「施工業者の選定」「工事費の決定」などは行えない。
課長以上の役職が決裁権を持っており,私情は挟めないように厳重に管理されている。
一般職員はどの建設会社へ行っても社畜同然。
また「定期的な転勤制度」があり工事業者と懇意になりづらいシステムも構築されている。
俺が出会った工事担当者はみんな上司の「いいなり」で怯えている人が多い。
金品の要求や脅迫めいたことをしてくる人は皆無だったことも付け加えておこう。
一般職員は何も悪くないのを大前提として読み進めてほしい。
建設業界の闇:施工業者はもう決まっている!特命発注システムとは?
建設業界では特命で発注することが多い。
特命発注とは、公共工事において入札によらない発注方式のことである。特別な技術を持つ場合や、入札者がいなかった場合などに行なわれる。
特命発注による契約を随意契約と呼ぶ。
わかりやすく言うと,パソコンは「Apple社」というふうに決めて発注すること。
テレビやパソコンなどを購入するときは比較サイトで検討すると思うが,建設業界でも橋や道路,マンションなど建設する場合には競争見積もりをし,コストが低い方,工期も短い方から工事業者を選定した方が効率がいい。
しかし建設業界では「特命発注」が格段に多い。
なぜか??
それは主に3つの理由からが多い。
- 工事業者との癒着(金品による)
- 人の好き嫌い(上層部同士の人間関係)
- 圧力がかかる(元請けや発注先,政界などから)
特命発注すれば工事業者はコストも削減せずに済むし,工期も短縮せずに済む。
工事施工業者からすれば,こんないい発注システムはない。
上記の3つの理由から工事内容より先に発注業者が決まっていることもあるほど。
特命発注システムは建設業界の闇だ。
建設業界の闇:地元業者を使え!地元政界や実力者からの圧力
特に毛嫌いされる施設
- 原子力発電所
- ごみ処理施設
- 葬儀場
- 騒音がでるような施設
- 匂いが気になる施設
などは地元に配慮し,地元にお金を還元するように地元政界や実力者から圧力を受ける。
地元政界や実力者は,息のかかった工事業者と懇意にしていることが多いため猛烈にプッシュしてくる。(※その工事業者からキャッシュバックがあるため。)
当然「特命発注」で業者の言い値で決裁される。
もし地元業者を使わなければ,
- 反対運動
- デマの垂れ流し
- 環境保護の観点から裁判
など様々な手段を使って営業を妨害してくる。
地元住民とケンカしてもやりずらいだけなので,多少工事費や工期がかかっても地元業者を採用することは多々ある。
建設業界の闇:ゴルフコンペや飲み会は当たり前!工事業者は必死
弱小企業は仕事の確保に必死だ。
工事がなくなれば,社員の給料や機械の維持費が払えなくなる。
そのためには「ゴルフコンペ」「飲み会」「お歳暮」「お中元」「慰労会」などどんなことでもやる。
発注者や元請けの機嫌を伺いなんとか仕事を発注してもらう。
何もしていない業者が生き残ることは稀だ。
施工業者が接待しお金を使い仕事を得,発注者が工事費を上乗せして施工業者に払う。
どちらもWin-Winの関係。
建設業界では常識だろう。
建設業界の闇:「関電の金品授受問題」ごときでは建設業界は変わらない
上記で説明したが,施工業者,発注者,仲介者にデメリットはない。
Win-Winの関係が築かれている。
このシステムが狂うときは誰かが裏切ったとき。
「金品を納めても仕事がもらえなかった」
「仕事を発注したのにキャッシュバックがなかった」
などの場合。
「関電の金品授受問題」も高浜の天皇こと「森山栄治氏」が死んでから国税調査で発覚していることが怪しすぎる。
キーマンが死ぬことによってシステムが狂い発覚に至ったのではないか…。
至るところで「建設業界の金品授受問題」は行われており今後も決してなくならない。
溶接工からの提案:建設業の闇「金品授受」を失くすには?
建設業界はこのままでは新しい施工業者や職人が育ちにくい。
施工能力が高く品質がよい施工業者が工事を担当するべき。
お金や癒着で工事施工業者が決まるのはおかしい。
なので建設業に25年携わった「溶接工」としてちょっと考えてみた。
1.特命発注の廃止
特命発注は競争することが無くなる。
競争がなければ当然改善することもなくなる。
思い切ってしがらみをなくし,競争見積もりで業者を選定することが必要ではないだろうか?
一番安い業者に選定するわけではなく,ある程度の品質を確保し安くできる業者の選定。
意識が競争見積もりというだけで改善が生まれ業界も活性化するのでは…。
2.第三者による抜き打ち内部監査
これはぜひやってほしい。
大体の内部監査は社内の内部監査だし,第三者であっても期限を事前に伝えていることがほとんど。
いきなり抜き打ちで監査が入ればかなりの不正を暴けるのでは…。
3.若い世代への移行
今の若い世代は案外正義感が強い。
ネットやSNSの影響で人間のクズ達に嫌悪感も人一倍強いはず。
今の若い人が経営者になるころには建設業界も今の旧態依然とした体制ではうまくいかないはず。
もう少し時間が経てば自然と「金品授受問題」はなくなっていく気がするのはポジティブすぎるだろうか??
まとめ
建設業の闇の一つ「金品」。関電の金品授受問題は氷山の一角で至るところで行われていることは建設業25年の「現役溶接工」が保証する。旧態依然の建設業界はいつまでこのままだろうか?不安だが今日も溶接の仕事が待っている…。
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