【JIS溶接資格】は更新(サーベイランス)する必要がある
日本溶接協会が発行する溶接資格(N-2FやA-2Vなど)には,有効期限があり更新する必要がある。
具体的には,
- 1年ごとに書類審査(サーベイランス)
- 3年目で実技再評価試験
を行い資格を維持していくことになる。
溶接の技量は一回取得したら終わりではなく,技量が一定のレベルにあるかどうかの評価を継続していく必要があり更新(書類審査or実技再評価)もそのために行われる。
今回は忘れがちなJIS溶接資格の更新(サーベイランス)について記事にしたい。
溶接適格性証明書の更新(サーベイランス)とは?
溶接適格性証明書には,
- 登録年月日(合格日)
- 継続年月日(書類審査日)
- 有効年月日(実技の有効期限)
が記載されている。
登録年月日とは溶接資格が発行された日で,継続年月日とは書類審査(サーベイランス)で更新した日,有効年月日とは溶接資格の有効期限のこと。
溶接資格は冒頭で説明したが,
- 1年ごとに書類審査(サーベイランス)
- 3年目で実技再評価試験
を行い資格を維持していくことになる。
溶接資格の維持は下記の図のような周期となる。
1年目と2年目は書類審査(サーベイランス)となる。
サーベイランス(surveillance)とは,日本語訳で「調査監視・定期審査」の意味。
溶接協会では定期審査の意味で使っているのだろう。多分。
継続年月日の3ヶ月前くらいになると職場や自宅に「溶接技能者資格サーベイランスのお知らせ」というハガキが郵送されてくる。
溶接技能者資格サーベイランス(書類審査)の内容は?
「溶接技能者資格サーベイランスのお知らせ」というハガキの内容は,表に資格名(N-2FやTN-Fなど)や証明書番号等が記載されており,裏面にサーベイランス(書類審査)に使われると思われる質問事項が記載されている。
サーベイランス(書類審査)内容としては,
- 1年間溶接作業に従事していましたか?
- 溶接作業で苦情や問題は起こしませんでしたか?
という簡単な質問に(はい/いいえ)で答えるだけ。
最低限の確認内容で溶接協会の金儲け主義と思われても仕方ない感じはするが,溶接工として生きていくためには簡単な書類審査の方がありがたい。
溶接技能者資格サーベイランス(書類審査)申請時に必要な提出書類は?
溶接技能者資格サーベイランス(書類審査)申請時に必要な提出書類は,
- 「溶接技能者資格サーベイランスのお知らせ」というハガキ(記入後)
- 適格性証明書原本
が必要。
記入漏れやミスなどがないか確認し,提出しよう。
適格性証明書原本も送付するためコピーを取っておくのが何かと便利。
適格性証明書原本を送付してしまうと,いざ現場で提示を求められたときに困る可能性があるためだ。
溶接技能者資格サーベイランス(書類審査)申請時の証明者は誰にする?
サーベイランス(書類審査)内容としては,
- 1年間溶接作業に従事していましたか?
- 溶接作業で苦情や問題は起こしませんでしたか?
という簡単な質問に(はい/いいえ)で答えるだけなのだが,一番最後にそのことを証明します!という証明者の記名・押印が必要となる。
その証明者とは,
- 事業者
- 上司(会社側の人間)
- 勤務先の責任者
- 個人事業者の場合は,仕事をした請負先の会社、工事場所の責任者
となる。
自分で証明することはできないので注意しよう。
溶接技能者資格サーベイランス(書類審査)申請時の料金は?
溶接技能者資格サーベイランス(書類審査)申請時には,お金(申請料)が発生する。
申請する地域によって違うかもしれないので,参考として見て欲しい。
サーベイランス料+事務手数料 | 1320円+800円 |
適格性証明書返送料 | 510円 |
合計で2630円。
これで資格が3つも4つもあると,その分申請料がかかる。
例:2630円×4資格=10,520円
毎年溶接資格を維持するのにはなかなかお金がかかることも取得時に考慮する必要がある。
3年目には実技再評価試験があるので,さらに受験料・材料代・練習時間・交通費などもかかる。
人数が多いと当然かなりの金額となる。
溶接技能者資格サーベイランス(書類審査)申請を忘れた場合はどうなる?
溶接技能者資格サーベイランス(書類審査)申請を忘れた場合は,
- 資格失効
となる。
せっかく取得した溶接資格でもサーベイランス(書類審査)を忘れれば失効する。
自分の資格は自分で管理することを基本とし,事務の女の子や上司に任せっきりにしないこと。
「溶接技能者資格サーベイランスのお知らせ」というハガキも,もしかしたら郵送ミスや住所変更で届かない場合も考慮し,継続年月日(書類審査)間近になったら注意してハガキの到着を待つ必要がある。
もし「溶接技能者資格サーベイランスのお知らせ」というハガキが届かない場合は,各地区の溶接技術検定委員会に連絡する必要がある。
事務局名 | 所在地 | 郵便番号 | 電話番号 | FAX番号 |
北海道地区 溶接技術検定委員会 | 北海道 札幌市白石区菊水八条3丁目11-15 | 003-0808 | 011-822-6678 | 011-822-6678 |
東北地区 溶接技術検定委員会 | 宮城県 仙台市泉区明通4-5-5 | 981-3206 | 022-378-8290 | 022-378-8289 |
東部地区 溶接技術検定委員会 | 神奈川県 川崎市川崎区池上町1-15 | 210-0864 | 044-299-3541 | 044-299-3543 |
北陸地区 溶接技術検定委員会 | 石川県 金沢市南森本町ホ33-1 | 920-3116 | 076-257-4841 | 076-257-4842 |
中部地区 溶接技術検定委員会 | 愛知県 名古屋市南区元塩町6-25-5 | 457-0823 | 052-613-2081 | 052-613-2057 |
関西地区 溶接技術検定委員会 | 大阪府 大阪市北区梅田1-11-4-500 | 530-0001 | 06-6341-1805 | 06-6341-1806 |
中国地区 溶接技術検定委員会 | 広島県 広島市安佐南区大塚東3-8-11 | 731-3166 | 082-848-0511 | 082-848-0559 |
四国地区 溶接技術検定委員会 | 愛媛県 新居浜市阿島1-5-56 | 792-0896 | 0897-47-5627 | 0897-47-5359 |
九州地区 溶接技術検定委員会 | 福岡県 北九州市戸畑区牧山新町2-15 | 804-0054 | 093-881-5610 | 093-871-8535 |
更新が必要ない溶接資格もある
【JIS溶接資格】や【JPI溶接資格】などは定期的に溶接技量を評価する必要があり,更新は必要。
しかし,溶接業務に従事している人が全員【JIS溶接資格】や【JPI溶接資格】などを取得しているわけではない。
最低限仕事を行う上で必要な資格だけ取得していれば更新は必要ない。
その資格とは,
- アーク溶接作業者
- ガス溶接作業者
- ガス溶接作業主任者
- 各種会社独自の認証(トヨタ社内認定など)
などは,一度取得すれば一生モノの資格。
どれも溶接をしていくためには必須な資格ばかり。
取得していない人はぜひ取得しよう。
まとめ
【JIS溶接資格】は1年ごとに更新(サーベイランス)する必要がある。溶接業界の仕組みを理解して溶接作業に従事しよう。更新(サーベイランス)を忘れると失効するので特に注意してほしい。
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