【配管の基礎知識】配管のステンシルとは?【表記の読み方・使い方】
配管のステンシルって何?
表記内容や読み方,使い方を知りたい!
ステンシルとは,配管の種類やサイズがペンキで表記してある文字のことだよ(※下記写真参照)
詳しく解説するね!
上記写真のステンシル表記内容
- メーカー名(NIPPON STEEL)
- 製造所(B)
- JISマーク
- JIS認証機関番号(JICQA QA0507011)
- 種類の記号(STPG370)
- 製法(S-H)
- 呼び形・肉厚・長さ(100A×SCH40×5500)
- 管理番号(BNNJ5235)
- 製造年月日(09-2019)
配管メーカーによって表記の仕方が若干違うが,基本的に上記のような順でステンシルによって印字されている。
本記事の内容は以下の通り
- 配管のステンシルとは?
- 配管ステンシルの読み方【表記内容・読み方】
- 配管ステンシルは最後まで残せ!【使い方】
- 配管ステンシルはミルシートで確認【使い方】
この記事を書いている俺は「溶接歴25年」の熟練溶接工。
保有資格は,JIS溶接技能者(TN-P,T-1P,N-2P,C-2P),溶接管理技術者2級,管施工管理技士1級。
要するに,ベテラン溶接工で溶接の専門家。
配管製作をすることが多く,初心者の頃に感じた疑問を記事にまとめた。
本記事は,配管のステンシルに関する疑問を完全解説しており,必ず疑問は解決すると自負している。
配管のステンシルとは?
配管のステンシルとは,材料の種類やサイズなどをペンキで表記してある文字のこと。
ステンシル【stencil】
謄写印刷・捺染(なつせん)印刷などで用いる一種の型紙。
文字や模様の部分を切り抜き,インクが通過するようにしたもの。
ー三省堂 大辞林より引用
配管が工場に納入された時に品物を見て「パッ」と確認できるので便利。
現場では,
ステンシル見て確認してこい!
などと使われる。
5.5mと4mが鋼管の定尺。
なぜか?
鋼管メーカーで製造できる長さが11mで,トラックで無理なくできる長さ…で半分の5.5mに決められたと言われている。
5.5mは長い!という声もあり,4mが作られたらしい。
配管ステンシルの読み方【表記内容・読み方】
上記写真のステンシル表記内容
- メーカー名(NIPPON STEEL)
- 製造所(B)
- JISマーク
- JIS認証機関番号(JICQA QA0507011)
- 種類の記号(STPG370)
- 製法(S-H)
- 呼び形・肉厚・長さ(100A×SCH40×5500)
- 管理番号(BNNJ5235)
- 製造年月日(09-2019)
配管メーカーによって表記の仕方が若干違うが,基本的に上記のような順でステンシルによって印字されている。
特に重要なのは,「JIS認証機関番号」・「種類の記号」・「呼び形,肉厚,長さ」だね!
配管ステンシルは最後まで残せ!【使い方】
配管のステンシルで重要な部分は,「JIS認証機関番号」・「種類の記号」・「呼び形,肉厚,長さ」だと上記に書いた。
配管製作していくときには,最後までステンシルを残すように材料取りを心がけたい。
具体的には,ステンシルは正面から見て左詰めに配管に印字されているので,材料を切断していくのは右側から行っていく。
ステンシルのことを何も考えずに材料を切断していくと,残材となった配管にステンシルがなく管理がしづらい。※実際の現場では複数の材料・材質が入り混じっているため。
配管切断時,ステンシルを消してしまって,親方に何回も怒られました…(泣)
ミスりやすいから気をつけて!
配管ステンシルはミルシートで確認【使い方】
配管が工場に納入されたら,ミルシートと照らし合わせ確認することが重要。
ミルシートとは・・・「鋼材検査証明書」のこと。
ミルシートについて詳しく知りたい方は下記の記事をどうぞ
- 納入された配管は注文通りか?
- ステンシルに間違いはないか?
- ミルシートと違いはないか?
以上の点は確実に押さえておきたい。
大丈夫だろう…でとんでもない事態に発展した例は数多くある。
ステンシルとミルシートの照合は,A(当たり前のことを)B(バカにせず)C(ちゃんとやる)を守る。
ステンシルの意味が分かれば照合もできますね!
配管の規格ステンシルも見落とすな!【JISだけじゃない】
配管の規格は一般的には「JIS」がほとんど。
約7~8割はJIS規格配管が使われている。
しかし,プラントで使われるボイラーチューブや油で使われる配管は,規格が違う場合があるので注意してほしい。
配管の規格一覧
配管の規格 | |
JIS | 鋼管全般 |
API | 油井管,ラインパイプ |
ISO | 油井管,ラインパイプ,腐食試験法 |
NACE | 腐食試験法,耐食材料 |
ASME | 圧力容器,ボイラーチューブ |
ASTM | 鉄鋼材料一般,試験法 |
JISマークがない配管などは,上記の規格で製作されている可能性が高い。
サイズが合うからといって,指定以外の配管を使うのはNG。
配管を使う前には,管理者・客先・図面・上司などに確認して製作に取り掛かろう!
配管の基礎知識シリーズ
【配管の基礎知識】シリーズは,初心者溶接工のために始めたシリーズ。
今回で9記事目となる。
配管の種類や記号は多種類あり一気に覚えるのはかなり困難だが,一つの種類を深く知ることによって応用がきくこともあるので初心者溶接工の内は,焦らず確実に理解していって欲しい。
配管の基礎知識シリーズはコチラ
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【配管の基礎知識】SUS304とSUS316の違い【成分,溶接棒,規格,種類】
気になる記事があれば,ぜひ一読して欲しい。
溶接技術+配管知識があれば,周りと差をつけれるかも…。
配管のステンシルとは?:まとめ
配管のステンシルとは,材料の種類やサイズなどをペンキで表記してある文字のこと。
- メーカー名
- 製造所
- JISマーク
- JIS認証機関番号
- 種類の記号
- 製法
- 呼び形・肉厚・長さ
- 管理番号
- 製造年月日
などが印字されている。
配管製作の際はミルシートと照合し,確認後製作に入ろう!
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