適正アルゴンガス流量と注意点とは?
アルゴンガスの流量はどうやって選んでる?
適当に選んでいないだろうか?
俺が溶接工になりたての時は,先輩のガス流量を見て
同じぐらいにして溶接していた。
工場内作だとそれでも不具合が起きないのだが,
現場へ行くようになると自分で調整しなくてはいけない。
風のある場所や狭隘部では通常の流量ではアルゴンガスが
届かないことも多い。
現場ではどうしてるのか?通常時のアルゴンガス流量は?など
意外と忘れがちなTig溶接におけるアルゴンガス流量。
今回は適正アルゴンガス流量と注意点についてまとめてみた。
Tig溶接 適正アルゴンガス流量
基本的なアルゴンガス流量は
・溶接電流
・直流,交流
・ノズル径
によって決まる。
直流溶接の場合
溶接電流(A) | 直流溶接 | |
ノズル径(mm) | ガス流量(ℓ/min) | |
10〜100 | 4〜9.5 | 4〜5 |
101〜150 | 4〜9.5 | 4〜7 |
151〜200 | 6〜13 | 6〜8 |
201〜300 | 8〜13 | 8〜13 |
300〜500 | 13〜16 | 13〜16 |
交流溶接の場合
溶接電流(A) | 交流溶接 | |
ノズル径(mm) | ガス流量(ℓ/min) | |
10〜100 | 8〜9.5 | 6〜8 |
101〜150 | 9.5〜11 | 7〜10 |
151〜200 | 11〜13 | 7〜10 |
201〜300 | 13〜16 | 8〜15 |
300〜500 | 16〜19 | 8〜15 |
この表はあくまでも基本的なアルゴンガス流量表。
これをベースにアルゴンガス流量を選ぶ。
現場の風速を計るならコレ↓↓↓
Tig溶接 適正アルゴンガス流量の決め方
基本的な設定はアルゴンガス流量表で大丈夫。
工場などの環境が安定した場所では,
むやみにアルゴンガスの流量を上げない方がいい。
あまりアルゴンガス流量を上げすぎると流速の関係で
シールドガスに乱流が起こり,空気を吸い込む恐れがある。
工場溶接で案外多い。
ブローホールが知らぬ間にできていたら
アルゴンガス流量を疑ったほうがいい。
しかし!!
現場などで風や狭隘部などはアルゴンガス流量を増やす場合がある。
その時のアルゴンガス流量の決め方は
・ビードの酸化具合
・シールドガスの揺れ具合
・母材の溶け具合
・母材との距離
・タングステンの突き出し量
これらを総合的に判断してアルゴンガス流量を決める。
アルゴンガス流量を選ぶ上で重要なのが
通常溶接時(工場溶接時)の母材の溶け方。
これをよく覚えてないと電流を上げたりして調整してしまう。
なんか変だな?溶け具合おかしいな??
と思ったらアルゴンガス流量かもしれない。
アルゴンガス流量の調整幅は2目盛りずつ。
10ℓ/minでアルゴンが薄いと感じたなら12ℓ/minへ調整。
あまり一気に上げないこと!
空気の乱流もそうだがアルゴンガス節約も重要。
ボンベを交換する手間を増やさないためにも
効率も重視し最小のアルゴンガス流量を狙う。
一流の溶接工はアルゴンガス流量まで管理する。
調整器オススメはコレ↓↓↓
Tig溶接 アルゴンガス流量注意点
アルゴンガスの基礎的な知識は↓↓↓
を読んでもらうとして
アルゴンガス流量を調整するときに注意することがある。
・溶接機とガスホースの継ぎ目から漏れていないか?
・ガスホースと調整器との継ぎ目から漏れていないか?
・トーチとノズル等の取り付け方は大丈夫か?
・溶接機の設定は間違っていないか?
・ガスホースはひび割れ等していないか?
・ガスホースの中が濡れたりしていないか?
・アルゴンガス残量はあるか?
・調整器の各部締め付けは大丈夫か?
Tig溶接はアルゴンガス命。
接続や設定は間違えないように溶接前にめんどくさくても行う。
基本的な事項だけど案外,
ノズルが緩んでたり,ホースのつなぎ目から漏れてたりは
よくあるので注意して欲しい。
流量をどれだけあげてもノズルまでの間で
漏れていたら意味がない。
ガス漏れ検知に必須なのがコレ↓↓↓
アルゴンボンベにぶら下げておくと便利。
無駄なアルゴンを外に出さないためにも必須のアイテムだ。
まとめ
アルゴンガス流量調整はあまり重要視されていないが,
意外と重要でかつ経験がいる。
どんなベテランでもガス漏れは目に見えない。
溶け込み具合がわかるには相当な熟練がいる。
重要なのは基本事項を押さえていかに応用をきかすか。
この記事が誰かの役に立つことがあれば嬉しいし幸せだ。
ブログ10万PV/月達成!
ド底辺の溶接工が必ず役立つ【溶接,Mac,お金の情報】をブログで発信中!
【渾身】の記事をしゃーなしで見てみる!