【自動遮光面】オススメ 現役溶接工が教える【後悔しない選び方15のポイント】
・自動遮光面って種類が多すぎて,どれを選べばいいのかわからない。
・現役溶接工達は,どんな自動遮光面を使っているの?
・変な自動遮光面買って損したくない!
溶接歴25年,自動遮光面は何十種類も試した現役溶接工が,その質問に答えます!
・選ぶポイント,オススメの自動遮光面。
・同業者で評判のいい自動遮光面。
高い自動遮光面買って損はさせたくないので,ぜひ読んでみてくだい!
本記事の内容は以下の通り
・現役溶接工達のおすすめ自動遮光面がわかる
・自動遮光面を選ぶ15のポイントがわかる
この記事を書いている俺は「溶接歴25年」の熟練溶接工。
保有資格はJIS溶接技能者(TN-P,T-1P,N-2P,C-2P),溶接管理技術者2級,管施工管理技士1級。
要するにベテラン溶接工で溶接の専門家。
この記事は,俺が今までで一番気に入っているオススメ自動遮光面と自動遮光面を選ぶ際に注意して欲しい15のポイントをまとめた記事。
俺だけの評価だと偏ってしまうので,同業者の評価も交えてオススメの自動遮光面を紹介しようと思う。
- 結論:自動遮光面のオススメは【3Mの9100シリーズ】
- 自動遮光面の後悔しない選び方15のポイント
- 溶接時の面は使い分けが大事(溶接面の種類)
- 用途別オススメ自動遮光面は?
- まとめ
結論:自動遮光面のオススメは【3Mの9100シリーズ】
ウダウダごたくを並べる前に結論から先に言っておこう。
自動遮光面選ぶなら3Mの9100シリーズから選んどけば間違いない。
スタンダードビューはコチラ
ワイドビューはコチラ
もう圧倒的。
いろんな点で他の自動遮光面よりいい。
- 壊れない
- 遮光反応が自然
- アーク光が見やすい(乱反射しない)
- 細かい設定ができる
- アフターパーツ・フォローが素晴らしい
- 視界が広い
など。
他の自動遮光面を何十種類と試してきたが,3Mを上回る自動遮光面に出会ったことがない。
同じ現場で働く同業者からも3Mの9100シリーズは評価が高い。
溶接工10人に聞けば8人は3Mと答えるぐらい信頼されているブランド。
光感度のセンサーも3センサーで誤動作も少ない,かつ動作も安定している。
スタンダードビューはコチラ
ワイドビューはコチラ
自動遮光面の後悔しない選び方15のポイント
自動遮光面を選ぶ際に,特に重要視したほうがいいポイントは15個ある。
同業者や俺の経験から,「買って後悔しない15のポイント」として,自動遮光面をこれから買う人は参考にしてほしい。
1.本体の軽さ(軽ければ軽いほどいい)
自動遮光面の重量はかなり重要。
重量は長時間の作業場合,首に効いてくる。
安物の重い自動遮光面だと1時間も装着していると,首や肩がガチガチになる。
重い自動遮光面は,重量バランスも悪く,溶接姿勢が変わると頭からずれたりもする。
一日自動遮光面を装着し作業することを基本とし,できるだけ軽い自動遮光面を選びたい。
2.光感度(センシティビティー)の調整の有無(有りの方がいい)
低電流Tig溶接やクレータ処理時と高電流溶接時のアーク光は光度が違う。
光感度(センシティビティー)の調整機能がついていない自動遮光面は,アーク光の強さに関係なく一定の光度なので目に負担がかかる。
又,作業照明や他のアーク光,太陽光を拾って遮光してしまう時もあるので,光感度(センシティビティー)が繊細すぎても都合が悪い。
作業効率が格段に落ちてしまう。
高い自動遮光面と安い自動遮光面の大きな違いは,光感度(センシティビティー)にあるといっても過言ではない。(4センサーと1センサーの違い)
自動遮光面を選ぶ際は光感度(センシティビティー)も重要視しよう。
できれば研磨モード(グラインダー作業など)がついている機種がオススメ。
3.ヘッドバンド(ホールド感が重要)
軽視されがちだが,ヘッドバンドの形状も重要。
シンプルなヘッドバンド(安物に多い)だと,溶接中にずれたり頭にフィットせず首が疲れたりする。
微調整ができるヘッドバンドが装備されている自動遮光面を買おう。
4.遮光度の幅(広ければ広いほどいい)
調整代は多ければ多いほどいい。
♯3〜♯13ぐらいは調整幅がある自動遮光面を選ぶといい。
遮光度調整機能が面の外側についている機種は,何か触れて遮光度が変わったり,壊れやすいので注意が必要。
5.遮光スピード
遮光スピードは今時の自動遮光面なら,1/10000,1/30000などほとんどの自動遮光面で満足できるスピードを備えている。
むしろ重要なのは,アーク光が出て遮光した後の戻り速度。
ディレイタイムという言葉で表現されている機種が多いが,調整できるタイプがオススメ。
意外と戻り速度でイライラすることが多く,調整機能があると自分のリズムに合わせることができるのでいい。
6.通常時の明るさ(透過度の自然さ)
※Mac好きな溶接工所有の3M9100Vの通常時の明るさ
自動遮光面は仮付け時などにすごく便利だが,通常時(アーク光がない状態)の見え方が自然じゃないと威力が半減する。
仮付けなどは自動遮光面をしたままずっと作業するので,いちいち上げ下げして品物を見たりしない。
自動遮光面のガラスを通して品物を確認する。
ここでガラスの透過度というか見え方が重要になる。
安物の自動遮光面は透過度が悪く歪んで見えたり細部までよく見えなかったりする。
自然に見えるガラスかどうかも確認したい。
7.アフターパーツの多さ
自動遮光面はそれなりに高いので,壊れたら買い換えるとかは気軽にできない。
パーツパーツで交換して使っていくことになる。
そんな時に,変えパーツがない自動遮光面は都合が悪い。
販売網がしっかりしている3Mなどは壊れたパーツがすぐに手に入る。
自動遮光面購入後のことも考えて選ぶようにしよう。
8.溶接時の見え方
上の動画
は素人さんだが3Mの9100Vを購入し感動している。プロはそもそも【みてる景色が違う】ということがよくわかる動画。
透過度とも関係するが,肝心の溶接時にどういう見え方をするか?も重要。
アーク光が拡散したり,プールの見え方が自然じゃないと作業に支障がでる。
何十種類と試してきた経験からすると,3Mが一番自然だった。
好みの問題もあるので出来れば試着できると一番いい。
9.ヘルメット着用の有無
ヘルメット着用しながら自動遮光面をつけると,重さでむちゃくちゃ作業しづらい。
ヘルメット着用が義務ずけられている現場では,皮布面か手持ち面がいいだろう。
過去にヘルメット用のバンドを買い高所で自動遮光面を使ったが,風に煽られるわ,重いわで一瞬で使わなくなった。
10.保護マスクをしても邪魔ではないか?
溶接時にはヒュームという人体に有害な煙が発生する。
ヒューム対応の保護マスクは必ず使用しなければならない。
自動遮光面の内側にマスクをかわすスペースがあるかどうかも確認したい。
マスクをして自動遮光面をした時にマスクが邪魔で面が下がりきらないなんてことがあるのでマスク用のスペースの確認は必須。
11.液晶画面の大きさ(広ければ広いほどいい)
長時間作業になると視界の広さが疲れに効いてくる。
疲れやすさが格段に違う。
液晶画面はワイドタイプがやっぱりいい。
自分の手元,足元,周囲の状況が確認できることは安全にもつながる。
12.フィット感(重量バランスが大事)
自動遮光面がかぶったときのフィット感は大事。
微妙にバランスが悪い遮光面は長時間作業ではかなり辛い。
メーカーによっては置いた時に座りが悪くコロンと倒れてしまう自動遮光面もあるのでバランスをしっかり確認したい。
こだわっているメーカーなら必ずカタログに記載されているので,試着できない場合はカタログで確認しよう。
13.ダイアルやボタンが面の外側に有る場合注意(壊れやすい)
自動遮光面は過酷な状況で使う場合,ダイヤルやボタンが面の外側にあると壊れやすい。
屋外で使う場合だと,雨。
狭い場所で使う場合は接触によりボタンが勝手に押され変わってしまったり,接触により損傷してしまうことも。
出来る限りダイアルやボタン類は面の内側にあるのがいい。
14.電池の持ち
自動遮光面は電池で遮光度を変化させているので,電池切れになると使い物にならない。
太陽電池とリチウムイオン電池を併用している自動遮光面がいい。
又,電池残量を知らせてくれるインジゲーターがついているとさらに安心。
カタログにバッテリー寿命として記載されているはずなので確認しよう。
15.価格(安い自動遮光面と高い自動遮光面のメリット・デメリット)
これが自動遮光面を買うときの一番のネックだろう。
安物だと2,000円〜あるし高い物だと7万ぐらいする物もある。
用途によって使える値段も変わってくるとは思うが,安物買いの銭失いとならないように注意したい。
価格が安い面のデメリット
- 光感度が悪い・遮光しないor過敏(太陽光に反応したり照明に反応する)
- ヘッドバンドがしっくりこない
- 重量バランスが悪く長時間使うと疲れる
- 通常時の明るさが暗い
- アーク光の見え方が見えづらい(光の拡散)
- 交換パーツがない
- 保護マスクすると面と接触する
安い面はどうしても高い面と比べると上記で劣る。
逆に言えば上記が我慢できるなら安物でも全然大丈夫。
価格が高い面のデメリット
- 値段が高い
- 作業に対してオーバークオリティ(DIYとか使用時間小なら安物でOK)
- 設定が面倒
- 高いの買って不満足だと地獄(自動遮光面沼)←過去の俺
- 結局1日使うと首は疲れる(クラッシックな面最高!)
高い自動遮光面を買うと全て満足するのか?というとやっぱり不満はある。
基本的に俺は本溶接の場合は,クラシックな面(皮布面や手持ち面)を使うので,自動遮光面は最上位機種を選ばず中間グレード(3Mの9100V)を選択している。
溶接時の面は使い分けが大事(溶接面の種類)
俺は皮布面,手持ち面,自動遮光面を用途によって使い分けている。
皮布面の場合
- 狭隘部で溶接
- 体勢が悪い溶接
- 長時間本溶接になる場合
- 雨・風が強い場合
- ヘルメット着用義務がある現場
手持ち面の場合
- 溶接指導する場合
- アーク溶接で短時間(タック溶接)の場合
自動遮光面の場合
- 仮付け時(両手が使えるメリットが大きい)
- 1時間程度の本溶接
- アーク溶接でシビアな運棒が必要な時(RT検査)
- 工場内
同業者も使い分けている人が大半。
昔ながらの職人堅気の人(オッチャン)は,皮布面の使用率が高い。
自動遮光面なんて邪道じゃ!という感じ。
※しかし,オッチャンも自動遮光面も一度使うとすごく便利なことに気づき,こっそり使っているのを俺は何回も目撃した…(見てましたよ〇〇さん笑)。
用途別オススメ自動遮光面は?
プロフェッショナル(ガッツリ作業派,業務)
記事の冒頭でも書いたが,3Mの9100シリーズ。
何十種類も試し,いろんな同業者に話を聞いた上でオススメできるのはやはり3M。
総合的に15のポイントを満足できるレベルに仕上がっている。
ガッツリ自動遮光面を使う人は3Mでいいのでは?
スタンダードビューはコチラ
ワイドビューはコチラ
アマチュア(DIY,短時間,自宅用)
割り切って使うならということで,選んでみた。
光感度は1センサーで誤動作もすると思うが,短時間や家庭で使う分には我慢するしかない。
Amazonの評価もそこそこ良い。
値段もクソ安いので失敗してもダメージが少ないのも利点。
3M以外で選ぶなら…。
俺のオススメは3M。
なんだけど値段が高い!
3Mより安くて信頼性があり15のポイントを満たす自動遮光面はマイト工業のレインボーマスクシリーズ。
実際使ってみても違和感なく使用できた。
3Mを使ってみるとやっぱり3Mのほうがいいのだが,好みの問題もある。
3M以外で選ぶならということで,2つオススメしておく。
マイト工業のエントリーモデル(2センサー)
マイト工業中級モデル(2センサー研磨モード付き)
まとめ
溶接をガッツリするなら3Mの9100シリーズはオススメの自動遮光面。値段が高いと思う人はマイト工業もオススメ。けどやっぱり3Mはいいけどね…。
今回紹介した自動遮光面
イチオシ!3Mスタンダードビューはコチラ
イチオシ!3Mワイドビューはコチラ
マイト工業のエントリーモデル(2センサー)
マイト工業中級モデル(2センサー研磨モード付き)
割り切って使うなら
ブログ10万PV/月達成!
ド底辺の溶接工が必ず役立つ【溶接,Mac,お金の情報】をブログで発信中!
【渾身】の記事をしゃーなしで見てみる!