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【Tig,被覆アーク溶接共通】突合せ溶接時,ルート面(フェイス)をとる理由,必要性

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突合せ溶接(完全溶込み溶接)時は,ルート面(フェイス)をとる必要がある

 

溶接接合には2つの種類がある。

  1. 突合せ溶接(完全溶込み溶接)
  2. 隅肉溶接

 

ルート面(フェイス)をとる必要があるのは突合せ溶接(完全溶込み溶接)の場合。

 

ルート間隔や突合せ溶接(完全溶込み溶接)のことは色々な本やサイトに説明されているが,ではなぜルート面(フェイス)をとる必要があるのかは,探してもなかなかわからなかった。

 

実際配管を溶接するときには,ルート面(フェイス)をとっているので俺なりにルート面(フェイス)をとる理由について記事にしたいと思う。

ルート面(フェイス)とは?

ルート間隔と間違いやすいので注意が必要。これはV型開先の例だが,I型,レ型開先でも同様。開先の形状を表すパラメーターの一つとしてルート面(フェイス)がある。

 

JIS溶接試験においてもルート面(フェイス)の寸法は決まっていて次の通りにしなければならない。

試験材ルート面の寸法
薄板・薄肉管1.6mm以上(ステンレス鋼を除く)
中板・中肉管3mm以下
厚板・厚肉管3mm以下

※ステンレス鋼の薄板のルート面の寸法は2mm以下,薄肉管は1.5mm以下と規定されている。(以下と記載されているのでゼロでもOK)

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突合せ溶接(完全溶込み溶接)時,ルート面(フェイス)をとる理由,必要性

ルート面(フェイス)をとる理由は3つある。

  1. 開先部(配管や鋼材)の「バリやかえり」を取り除く
  2. 溶接時,すぐに溶け落ちるのを防ぐ
  3. ルート間隔を均一にできる

実際に現場で溶接をやってみて感じるのはこの3つの理由が大きい。溶接条件としてルート面(フェイス)は重要。

 

では一つ一つ解説していこう。

 

開先部(配管や鋼材)の「バリやかえり」を取り除く

バリとは、金属や樹脂などの素材を加工した際に発生する、素材の出っ張りのこと。

JIS B 0051では、「かどのエッジにおける、幾何学的な形状の外側の残留物で
機械加工又は成形工程における部品上の残留物」と定義されている。

かえりともいう。

バリ取り大学より

開先を整形するときに絶対「バリやかえり」が発生する。その「バリやかえり」をグラインダーややすりなどで取り除く必要がある。「バリやかえり」があるまま溶接すると,不純物が溶接金属に紛れ込んだり,ルート間隔が均一に保てないなど不具合がある。

 

ルート面(フェイス)をとることによって大抵の「バリやかえり」は取り除かれる。

 

溶接時,すぐに溶け落ちるのを防ぐ

ルート面(フェイス)がゼロの場合だとほとんどナイフエッジのような開先形状になる。その場合は厚みが極端に薄くなるので,アークを出した瞬間に溶け落ちてしまうことがある。

 

ルート面(フェイス)をとることで溶け落ちを防ぎ,溶接の施工をやりやすい。裏波形成も安定する。

 

ルート間隔を均一にできる

ルート間隔を現場で決める(仮付け)場合は配管と配管の間に隙間分のライナーやシムを入れたり,隙間ゲージで計測したりしてルート間隔を決めることがほとんど。

 

そのときにルート面(フェイス)がとってないと,ルート面(フェイス)が重みや衝撃でつぶれ,ルート間隔が均一ではない状態になることがある。それを防ぐ意味でもルート面(フェイス)をとっておくことは作業効率上すごく有効な手段。

実際の現場ではルート面(フェイス)ゼロの場合もある

色々ルート面(フェイス)の理由や必要性を書いてきたが,実際の現場ではルート面(フェイス)がゼロの場合もある。

 

ルート面(フェイス)ゼロの場合とは,

  1. 図面指示の場合
  2. 溶接士の好み
  3. ルート間隔がうまくとれない場合

の3点。

 

図面指示の場合

大抵の図面はルート面(フェイス)は,0〜1.6mmとか1mm〜3mmなど余裕をみて指示してある場合が多い。加工代や溶接施工者の調整範囲を設けてある。

 

まれに開先設計者の考えや母材の材質によってルート面(フェイス)ゼロという指示がある場合がある。

 

溶接士の好み

現場にはいろんな溶接工がいて,「ルート面(フェイス)なんてゼロでいい」という人が一定数存在する。図面指示も0mm〜となっていれば問題ないしルート面(フェイス)を加工する手間も減るので効率がいい。

 

工事を施工する前に溶接する人と打ち合わせてルート面(フェイス)を決めるのが一番いいだろう。

 

ルート間隔がうまくとれない場合

現場ではいろんなトラブルが発生する。配管が寸法通りにおさまらない場合とか現場の基礎がずれていることとか日常茶飯事でおこる。

 

溶接も一緒でルート面(フェイス)を取り忘れて仮付けしたとか,配管が長すぎてルート間隔が取れないのでルート面(フェイス)をゼロにして溶接時に溶け落ちさせてルート間隔を作ってくれとか……..。

 

ルート面(フェイス)よりもルート間隔の方が完全溶け込みには重要なのでルート間隔ありきでルート面(フェイス)をゼロにする場合は多々ある。

まとめ

まとめ

ルート面(フェイス)をとる理由は3つ。「バリやかえり」「溶け落ち防止」「ルート間隔の均一化」のため。溶接工としては日頃の練習からいろんなルート面(フェイス)で溶接できるようになっておくことが重要。

 

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