溶接ビードのキレイさは正義
溶接が上手いとか下手とかは,
他人が評価する。
職人レベルで上手いとか下手とかは
放射線検査や超音波検査の合格率で
判断できるが,素人は見た目で判断する。
お客さんは素人が多いので見た目が上手いと
溶接が上手いと判断することが多い。
溶接ビードのキレイさは正義となる。
重要配管や構造物以外では表面検査の
PT検査やMT検査が多いのでキレイさも
重要な判断基準となる。
今回は溶接終了後に溶接ビードを
うまく見せるコツを記事にしたいと思う。
溶接ビードをうまく見せるコツ その1 ひたすら磨く
溶接後には必ずビードを仕上げることが大事。
そのなかでも基本が磨くこと。
ビードは磨けば磨くほど輝く。
磨く道具はワイヤブラシがいい。
アンダカットやオーバラップ ,ピットなど
目視検査しながら溶接後に磨く。
ステンレスはステンレス製のワイヤブラシ
鉄は鉄製のワイヤブラシで磨く必要がある。
磨き方も重要で
縦に磨くんじゃなくて横に磨く。
ビードの波の間の不純物をかき出すように
ワイヤブラシをかけるとすごくキレイに見える。
初心者の頃はホルダーやトーチ持ってる
時間よりもワイヤブラシでビード清掃してる
時間の方が長かったぐらい磨きまくっていた。
溶接ビードをうまく見せるコツ その2 ビードの両脇を揃える
溶接ビードをキレイに見せるには直進性が大事。
そのためにヤスリやグラインダーで両脇を磨く。
ビードが真っ直ぐに見えるように
ひたすら磨く。
ビードが真っ直ぐ走ってたらパッと見
かなりキレイに見える。
オススメは三角ヤスリで手仕上げ。
角を立てながらサッとヤスリをかける。
溶接ビードをうまく見せるコツ その3 平坦なビードにする
電流が高すぎたり,溶接速度が遅かったり,
電流が低すぎたりで溶接ビードが
凸ビードになってしまったときは,
平坦なビードになるまでグラインダーで
削り落とす。
溶接が下手に見えるビードの代表例が
凸ビード。
配管で言えば真下は凸ビードになりやすいので,
溶接後は目視確認してなるべく他の箇所と
ビードの感じを合わせておくのがいい。
充電式のグラインダーを一つ用意しておくと便利
溶接ビードをうまく見せるコツ その4 スパッタ,スラグをしっかり除去
溶接が下手な人ほど
スパッタやスラグを除去しない。
溶接後は必ずスラグとスパッタは取るべき。
スラグやスパッタの状況で電流値の良し悪しも
わかるし溶接ビードの外観目視検査もできる。
どれだけ溶接ビードがキレイでも
スパッタやスラグがついた商品は価値がない。
しっかりとスパッタやスラグは除去しよう。
溶接ビードをうまく見せるコツ その5 ペンキでかくす
笑い事のようだが現場ではよく使う。
どうしても溶接ビードが安定しない,
狭隘な箇所や水が止まらない箇所などは
溶接ビードの外観が非常に悪い。
仕方ないと言えば仕方ないのだが
お客さんは素人なので溶接がやりやすいとか
やりずらいとかはわからない。
検査が終わればペンキを塗る品物が多いので
汚いビードをなるべく早くペンキでかくしてしまう。
グラインダーで整形しペンキでかくす。
現場ではちょいちょいあること。
まとめ
溶接ビードをうまく見せるコツ
- ひたすら磨く
- ビードの両脇を揃える
- 平坦なビードにする
- スパッタやスラグを除去
- ペンキでかくす
ごまかしの技術のようだが
溶接ビードの仕上げは絶対必要な技。
溶接後も溶接ビードの確認をすることによって
気づきを得られる瞬間もあるので,仕上げをおろそかに
しないことも大事。
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