Tig溶接は溶接施工者には理想的な溶接方法
Tig溶接にはデメリットを超える
数多くのメリットがある。
1940年頃に開発されて今まで
廃れなかったのは施工者にとってメリットが大きかったからだろう。
今では配管溶接では必ずTig溶接が選択されるし,
薄物やステンレス溶接では活躍の場が多い。
今回は,
Tig溶接にはどんなメリットがあるかを記事にしたいと思う。
Tig溶接のメリット その1 溶接品質がいい
Tig溶接は溶接品質がいい。
溶接速度が遅いため溶接者の技量による差が出にくい。
溶接欠陥が入りづらい。
RT検査やPT検査,MT検査などでも
合格率も非常に高いため重要な機器や配管には
Tig溶接が選択されることが多い。
溶接品質がいいことは管理のしやすさ
にもつながるため工程管理や施工管理がしやすい。
もし溶接欠陥があっても見つけやすく直しやすいのも特徴。
Tig溶接のメリット その2 溶接ビードが綺麗
溶接品質につながるが,Tig溶接の溶接ビードはクセになる。
それぐらい他の溶接方法とは異なる溶接ビード。
特にローリングという技法の場合,ヘビのウロコのような
ビードが連続して外観になるためTig溶接ファンが多い。
インスタグラムや各種SNSで上手い人の溶接ビードが見られるので
一度検索してみてほしい。
上手い人のは本当にずっと見てられる。
芸術品じゃないかと思うぐらいに一糸乱れぬ溶接ビード。
特にステンレスやチタンの溶接ビードは惚れ惚れすると同時に
俺もやってみてーーーーぇってなるはずだ。
Tig溶接のビードはクセになるほど綺麗。
Tig溶接のメリット その3 スパッタ,スラグ,火花がでない
被覆アーク溶接や半自動溶接では,
スパッタ,スラグ,火花が盛大に周りに飛び散る。
周りに飛び散るので周辺の養生を徹底しないと現場では
火災につながりかねない。
周囲の人も火傷する可能性もある。
養生も大変な上に溶接ビード外観もあまりよくない。
溶接し終わったあとはTig溶接ならワイヤブラシだけで済むが,
スパッタ,スラグ,火花がでる被覆アーク溶接や半自動溶接は,
ジェットタガネやグラインダーで整形しビード周りを削る必要がある。
原子力発電所や繊維工場などではまず火花などはNGなので,
必然的にTig溶接を選択する。
養生が簡易なもので済むTig溶接のメリットは大きい。
Tig溶接のメリット その4 溶接音が静か
Tig溶接は比較的,他の溶接方法と比べると音が静か。
アルゴンの吹き出す音,高周波のピーーーンという音以外は
ほとんど音がでない。
これは近隣住民がいる場合の溶接や
他の作業者の支障にならずに済むのでメリットは意外に大きい。
バチバチ音と共にカンカンとスラグを叩く音,
グラインダーで磨く音が出る被覆アーク溶接や半自動溶接にはないメリット。
Tig溶接のメリット その5 共付けができる
共付けとは?
溶接棒なしで母材同士を溶接すること。
現場では舐めるとも言う。
共付けができると薄物に非常に有効。
溶接棒をいれないので母材同士の馴染みもいいし,
余分な溶接肉もつかない。
特にステンレスの薄物なんかは共付けしたほうが
溶接品質もいい場合が多い。
航空部品なんかも共付けで溶接しているらしい。
溶接品質が一定していて溶け込みもいいからだ。
共付けできる溶接はTig以外ないので
共付けしたい場合はTig溶接を選択する。
まとめ
Tig溶接のメリット
・溶接品質がいい
・溶接ビードが綺麗
・スパッタ,スラグ,火花がでない
・溶接音が静か
・共付けができる
最近では半自動溶接に押され気味のTig溶接だが,
改めてメリットを考えるとやはりTig溶接しかない
メリットがたくさんある。
これからもTig溶接技能者は必要だろう。
AIや素人では無理な溶接方法Tig溶接。
必ず価値が高まり日の目が技能者に当たる日がくることを願っている。
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