Tig溶接機の選び方
いつも使っているTig溶接機が
どうやって選ばれたか知っているだろうか?
Tig溶接機にも色々種類があり,
場所,用途,容量など様々な理由で選ばれている。
新しい溶接機を購入する際に注意しなければならないことや,
知っておかなければならないことは沢山ある。
溶接機の選定を間違えると溶接できない場合や,
効率が悪くなる場合など様々な弊害がでてくるので
注意しながら選定する必要がある。
今回は,
Tig溶接機を選ぶ際に気をつける
7つのチェックポイントについて記事にしたい。
Tig溶接機の選び方 ①設置場所
Tig溶接機をどこに置くのか?
当たり前すぎて意外と忘れがち。
新規でTig溶接機を購入する場合や
設置場所を変更する場合,Tig溶接機が設置できるか確認が必要だ。
種類によって寸法が違うため設置しようと思っても,
入らなかったり耐荷重が少なかったりするので,
購入前には必ず設置場所の確認が必要。
Tig溶接機なので,
付属品(アルゴンや水冷タンク,トーチ類)なども
置く場所が必要。
なので大前提として設置場所の確保をまずは確認。
溶接機の設置場所注意事項
・溶接機の寸法の確認はいいか?
・直射日光やホコリがなるべく少ない場所か?
・ボンベやトーチ,水冷タンクなど置くスペースがあるか?
・電源は近くにあるか?
・湿気や雨風が当たらないか?
Tig溶接機の選び方 ②溶接電流
Tig溶接機をどれぐらいの溶接電流で使うのか?
を決める必要がある。
自宅でバイクや趣味のものを溶接したい時と,
配管や工作物を溶接したい場合では溶接電流が違う。
溶接機には定格使用率が決まっており
使いたい溶接電流によって溶接機の容量も違う。
定格使用率とは?
溶接機にはJIS規格によって使用率が決められている。
定格使用率とは10分間のうち何パーセントの使用なら安全か?を表したもの。
例えば
定格出力 350A、
定格使用率:60%の溶接機の場合、
10分の間に6分だけ350Aのアークを出すことができ、
4分は休止するという使い方。
例でいくと連続で350Aの溶接電流は使えないって事になる。
仕事効率とすれば悪いので500Aの定格出力の溶接機を選ぶ必要も出てくる。
使用用途によって溶接機を選ばなければ,
350Aの溶接電流を使いたいのに
定格出力電流が200Aの溶接機を買っても使えない。
定格出力電流は溶接機の商品番号
に表示されているのですぐにわかる。
例えばダイヘンのウェルビー・インバータ・A350Pの場合
定格出力電流は350Aだ。
定格使用率はカタログを見るしかない。
Tig溶接機の選び方 ③材料の厚み
どれぐらいの厚みの品物を溶接するかで
大体の溶接機の選定ができる。
板厚による溶接機の選び方。
1mm〜5mm 定格出力電流 300A未満
5mm〜9.9mm 定格出力電流 300〜500A未満
10mm以上 定格出力電流 500A
定格出力電流が決まれば選択肢はグッと減るので
選びやすいはず。
当然定格出力電流が大きい溶接機は
設置場所も大きいので注意が必要。
Tig溶接機の選び方 ④直流か交流か?
アルミニウム合金を溶接する場合があるかどうか?
被覆アーク溶接でも使用するか?
交流パルス溶接は使用するか?
これによって直流だけでいいのか交流も必要かが決まる。
通常Tig溶接は直流なので上記の要素がなければ
直流のTig溶接機でいいので導入コストが下がる。
Tig溶接機の選び方 ⑤サイリスタ制御かインバータ制御か?
Tig溶接機の制御方法は2種類ある。
サイリスタ制御かインバータ制御かだ。
サイリスタ制御とインバータ制御の違い。
全然わからない。。。
要するにインバータ制御の方が
・溶接機を小型化できる
・溶接機を軽量化できる
・出力電流の応答も早い
最近ではほとんどのTig溶接機でインバータ制御。
コスト面で考えるならサイリスタ制御となる。
最近ではデジタルインバータも流行りでインバータ制御より
さらに細かな設定ができ優秀な溶接機もある。
Tig溶接機の選び方 ⑥空冷か水冷か?
溶接電流を上げると空冷トーチの場合,
熱くてトーチが持てなくなる。
溶接電流でいえば180A以上だと結構トーチは熱い。
連続で高電流溶接するには水冷装置が必要。
なので溶接機購入前には水冷か空冷で溶接するかは
選んで置く必要がある。
後付けで水冷タンクを拡張できる溶接機もあるので,
そういう溶接機を選んで置くのも手だ。
空冷トーチと水冷トーチは
それぞれメリット,デメリットがあり
一概にはいえないが,工場溶接が多い場合は水冷
現場溶接で使いたい場合は空冷となる場合が多い。
コスト面や消耗品,設置場所等様々な要素があるため
別の機会で記事にしたい。
Tig溶接機の選び方 ⑦溶接機メーカー
溶接機メーカーはほぼ2択。
パナソニックかダイヘン。
この2メーカーのTig溶接機を選べば間違いない。
アフターサービスもいいし,部品も様々な用途用が揃っている。
故障も少ない。
へたに安いからといって2流メーカー品を買うと故障したり
壊れた時に部品がなかったりして余計にコストがかかる。
Tig溶接機はパナソニックかダイヘンで決定したい。
まとめ
Tig溶接機の選定は作業効率や品物の仕上がりに影響するので
しっかり選定したい。
・設置場所
・使用溶接電流
・材料の厚み
・交流or直流
・サイリスタ制御orインバータ制御
・空冷or水冷
・溶接機メーカー
上記の項目を全て満たす溶接機を買えば間違いない。
必要以上の溶接機はいらない。
使用用途に合わせて選んでほしい。
溶接機を選んだら
溶接電源ケーブルや分電盤の設置,
トーチなどの部品を選んで行く。
このブログが参考になれば嬉しいし幸せだ。
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とても参考になります。m(_ _)m
素人ですがバイクやクルマのアルミ溶接がしたいので検討中です。
現在導入検討中の素人の導入判断ポイントです
・アルミニウムの溶接をやりたいかどうか?
→アルミ溶接をやりたい場合は安物ダメ インバータ式tig
・定格使用率
→基本的に基板を排熱から守る為の使い方で
業務用水冷ならほぼ気にしなくていい、空冷式は注意が必要。
・サイリスタかインバータ(フルデジタル)か?
サイリスタはアルミ溶接はできない
サイリスタはダイオード素子なので素子交換など修理は比較的楽
(インバータ基板は修理メンテナンスが面倒)
サイリスタ式の溶接機はめちゃちゃ重い!ので送料がめちゃ掛かる。
(鉄工作業所などでユニックなど持ってる場合は格安購入可能)
・被覆アーク溶接でも使用するか?(色々な母材を試したいか)
→母材が絞れるなら半自動溶接の方が導入コストは安い
(デジタル制御tigかインバータ制御tigなら各母材への対応可能)
・交流パルス溶接は使用するか?
→tig溶接をやるなら基本は交流パルスで
→(ポータブルタイプ 現場移動用のみ例外)
普通にまともなtig溶接機買うと高いですね!><
修理前提でダイヘンかパナのジャンク買うのがよさそうです
コメントありがとうございます!溶接機って高いですよね。修理できるスキルがあるなら中古もいいですね!アルミ溶接はほとんど経験がないので色々教えてください。
返信ありがとうございます
私はまだ色々情報収集中ですが、
アルミ溶接が出来るようになると…
・中古工作機器の修理
・治具やパーツの補修
・エンジン機器などの冷却フィンなどの補修(工具等)
・アルミ工作物は切削加工がやりやすい
この辺の工作の幅が広がるかなと考えています。が
普通に新品の機器?を買うと 30万~50万コースになるので(汗
素人の小遣い範囲だと 修理前提かメンテ前提で考えています。
m(_ _)m
新品は30万〜50万ですかーー!!
ツライですね…。
進展あれば,またいつでもコメントお待ちしております。
他の記事でも気になったことがあれば遠慮なくコメントください。よろしくお願いします。