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すみ肉溶接の「のど厚」は脚長で簡単に求められる。

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そもそも「のど厚」って何?

 

のど厚の定義

溶接における、溶接金属の余盛りの部分を除いた断面の厚さをいう。

突き合わせ溶接する場合の「理論のど厚」は、接合される母材の厚さとなる。

厚さが異なる場合は薄い母材の厚さをいう。

溶接を仕事にしていると客先や現場監督から「のど厚は確保されていますか?」という質問がくることがある。

そこで答えられないと客先や現場監督への信用もなくなるし,会社としての教育の問題にもなる。

だからせめて「のど厚」の求め方や理論は溶接工なら知っておくべきだ。

 

「のど厚」には2種類あって,

  1. 実際のど厚
  2. 理論のど厚

がある。

ほとんどの(客先や現場監督)場合「理論のど厚」を指している。

単に「のど厚」という場合も「理論のど厚」だ。

それは「理論のど厚」のほうが「実際のど厚」よりも低い(小さい)サイズになるから。

低い(小さい)サイズの「理論のど厚」で構造計算しておけば,強度的に安全方向に働くからだ。(※許容荷重は「実際のど厚」の方が大きいが低い(小さい)許容荷重の「理論のど厚」で計算しておけば安全)

脚長とは何か?

 

脚長の定義

すみ肉溶接(ほぼ直角に交わる二つの面のすみに溶接する、三角形の断面をもつ溶接)において、すみ肉継手のルート(根元の部分)からすみ肉溶接の止端(母材の面と溶接ビードの表面とが交わる点)までの距離のこと。

脚長は、”きゃくちょう”と読む。

 

わかりやすく図にすると,

構造計算や現場では,脚長の縦と横の長さは基本的に同じ長さで計算する。

縦と横の脚長の長さが違う場合は,短い方で計算する。

「脚長が短い方で計算」という考えも「理論のど厚」の時と同じ考え方で,低い(小さい)サイズで計算すれば安全方向という理由。

すみ肉溶接「のど厚」の簡単な求め方。

本題のすみ肉溶接の「のど厚」の求め方だが,これは驚くほど簡単。

のど厚の求め方

のど厚=脚長サイズ×0.7mm

と覚えればいい。

これだけ。

脚長さえ計測できれば,のど厚は簡単に求めることができる。

 

例えば,

脚長が9mmなら「のど厚」9mm×0.7mm=6.3mm

となる。

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すみ肉溶接「のど厚」=脚長サイズ×0.7mmの理由

なぜ0.7mmをかけると「のど厚」が求められるのか?

「脚長は縦横を同じ長さ」で計算するので,断面で言えば図のような「二等辺三角形」となる。

二等辺三角形の辺の長さを求める公式の「三平方の定理」から1:1:√2(斜辺)となる。

「のど厚」は√2(斜辺)=1.4の半分なので,0.7となる。

なぜ「のど厚」を求める必要があるのか?

 

「のど厚」を求める理由

溶接部の耐力を知る必要があるため。

 

計算過程や理由は,このページがむちゃくちゃ参考になる。

「のど厚」「すみ肉溶接」「脚長」を英語で言うと?

図面指示が英語の場合や溶接工が外国人の場合,知っておくと便利なので紹介しよう。

「のど厚」・・・throat thickness(スロート・シックネス)

「すみ肉溶接」・・・Fillet welding(フェレ・ウェルディング)

「脚長」・・・leg length(レッグ・レンス)

まとめ

まとめ

すみ肉溶接の脚長から「のど厚」を簡単に求めることができる。

のど厚=脚長サイズ×0.7mm

溶接の耐力を求めることができれば,自分で計算して設計できる。

簡単な吊り装置ぐらいなら設計できる。

一度覚えてしまえば簡単。

「許容応力」とか「引張荷重」とか溶接してると必ず聞く言葉も合わせて勉強するといい。

日々の積み重ねでナンバーワンの溶接工を目指そう!!

曲げモーメント(曲力)が作用する場所に,すみ肉溶接はNG!(設計する際は注意して突き合わせ溶接にするなど工夫が必要)

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