溶接工という職業

【手に職】現役溶接工が語る【職人の世界】は【質】より【量】は本当!?

職人の世界は【質】より【量】 職業溶接工の場合

 

最近よく聴いたり見たりする,技術や知識を伸ばすには「質を優先させるか」「量を優先させるか」という話やテーマがあるが,溶接という立場では断然後者。

 

量をこなしてない奴に質なんて無理。

 

量をこなすことで自然とあーしてほうがよかったとか,こーしたほうがよかったなど知恵がついてくる。この知恵や技術がついてくるまでは質よりも量だよというハナシ。

 

今回は現役溶接工という立場から自分の経験も踏まえて質よりも量という話題を記事にしたい。

【質】より【量】の理由 その1 量をこなすことで質がいい溶接を生む

書くまでもないことだが,いきなり綺麗な溶接ビードはできない。試行錯誤を繰り返しながら練習することによって「何か」を掴む。このプロセスに俺の経験上,例外はないし認めたくない。

 

アホほどの練習量。

 

練習を繰り返していると今まで上手くいかなかったことが,急にできるようになる瞬間がくる。この瞬間が訪れるまではなにも考えず溶接してもいい。

 

プロ野球選手で偉大な記録を残している,王貞治さんやイチローさんも人の倍以上の素振りや練習を繰り返しているはず。溶接が上手くなりたかったら,まずはアホほどの【量】をこなすのが上達への近道だ。

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【質】より【量】の理由 その2 量をこなすことで筋力や耐性がつく

あくまでも初心者の頃に限定されるが,【量】をこなすことで筋力というか耐性というかが身につくというのも大きい。

 

筋力や耐性というのはマッチョって意味ではなく持久筋って意味に近い。

 

同じ体勢や同じ作業を繰り返すことは,筋力マシーンなどでは鍛えられない。登山の筋力は登山でしか鍛えられないのと一緒で,溶接の筋力は溶接でしか鍛えられない。というか溶接したほうが手っ取り早い。

 

【量】をこなすにはそれなりの筋力や耐性が必要。筋力や耐性がつけば【質】を上げるのに必要な安定感や自信がつく。

【質】より【量】の理由 その3 量をこなすことで溶接に慣れる

初心者の頃は,アークを出したり溶接機を扱うのに緊張しているはず。その緊張感(初心)も大事だが,それよりも大事なのが溶接という行為に慣れること。溶接そのものに慣れることは心の余裕を生むし改善したいところや欲も見えてくる。

 

溶接機や部品の取り扱いに慣れることは,作業効率も上がるし段取り力も上がる。キャブタイヤケーブルの巻き方一つでも【量】をこなしている人とそうじゃない人の差は歴然。言葉は悪いがバカでも数やりゃ覚える。

 

とにかく【量】をこなして溶接に慣れること。それが【質】を上げることに繋がっている。

【質】より【量】の理由 その4 量をこなすことで自然と深い知識を得ようとする

やればやるほど溶接は上手くいかないことが沢山でてくる。その上手くいかない理由を考えていると自然と深い知識を得ることになるはず。いろんな言葉や技術を調べ始める。

 

母材の材質はどうか?

電流は?

トーチ角度は?

溶接棒の太さ?

溶接方法は?

 

疑問が沢山でてくる。

 

一つ一つの知識を得ようとするとかなりの【量】をこなさなければならず,自然と【質】も上がる。

【質】より【量】の理由 その5 いろんな世界で証明されている

よく議論されるこの話題も,ある程度世界では共通の認識がある。

 

アメリカにこんなおもしろい実験がある。

実験はある学校の陶器を作成する授業で、生徒を「量」と「質」2つのグループに分け、一定期間つぼを作成する練習をしてもらうというもの。実験前に、「量」グループには作成したつぼの量で評価をくだし、「質」グループには作成したつぼの質で採点するということだけが伝えられました。実験の結果、「量」グループが最もクオリティーの高いつぼを作り出すことに成功。著者によれば、「量」のグループは多くのつぼを作成している間に犯したミスから学習し、いい結果を生み出せたとのこと。一方「質」グループは、完璧に作成する方法を考える事に時間を費やしましたが、実際の作品に反映させられませんでした。

結果を出すためには「質」よりも「量」をこなして学習することが重要より引用

 

あの発明王のトーマス・エジソンも【量】に関する名言を数多く残している。

私たちの最大の弱点は諦めることにある。成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ。

私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。

完全に数の暴力。あのエジソンですら【質】より【量】と言っている。

 

絵画で有名なあのパブロ・ピカソもとんでもない【量】をこなしていることを最後に付け加えておきたい。パブロ・ピカソは生涯に五万点以上の作品を描いた。一〇万点を超えるという説もある。一日あたり二点から四点のペース。彼は間違いなく、今まででもっとも多作の芸術家。圧倒的な量が世界的な名作を生んだ。

まとめ

まとめ

溶接が上手くなりたかったら【質】より【量】を優先させるほうが上達には近道となる。世界的にも【質】より【量】というのは基本的に同じ。【量】があって【質】があるのかもしれない。

 

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