溶接の知識

溶接中の溶融池(プール)の温度は何度あるのか?

溶接工の単純な疑問

 

溶接を仕事にしていると常に疑問を感じて

仕事をするクセがついた。

 

なんでここでブローホールが入るんだろう??

なんで交流と直流があるんだろう??

なんでアースを取る必要があるんだろう??

 

とわからないことばかりで,

常に疑問がある。

 

その中で大体の溶接工が疑問に思う

溶融池(プール)の温度は何度あるんだろう??

という疑問。

 

単純でかつ奥が深い質問。

子供のなぜ空は青いの??に近い疑問。

 

溶接工でしっかり答えられる人は少ないはず。

 

今回は単純な疑問で

溶融池(プール)の温度は何度あるの??

という疑問に対する記事を書こうと思う。

 

溶融池(プール)とは?

溶融池(プール)とは?

溶融池は、溶接の際にアーク熱その他などの熱によって電極や母材が溶融してできた溶融金属のたまりのことです。
溶融池は、”ようゆうち”と読みます。

 

現場では溶融池と言う人はほとんどいなくて

大抵はプールと言う。

 

プールの幅を保つとか

プールにスラグが巻き込む!

とかは

現場ではよく聞く言葉の使い方。

 

溶接中に得られる情報はほぼ溶融池(プール)から

得ているので溶融池(プール)の形や溶融池(プール)の知識は

溶接工としてはぜひ仕入れておきたい。

鉄やステンレスの溶ける温度は何度?

 

溶融池(プール)は金属と溶接棒が溶けている箇所。

ということは金属が溶ける温度を知ればプールの温度は

大体わかるはず。

 

融点とは?

固体が液体になり始める温度。氷ではセ氏零度。

 

主に一般的な材料の溶融温度は

金属 融点
(℃)
Ag 961
Al アルミニウム 660
Au 1063
C 炭素 3600-3800
Cr クロム 1900
Cu 1083
Fe 1539
Li リチウム 179
Mg マグネシウム 651
Mo モリブデン 2622
Na ナトリウム 98
Ni ニッケル 1455
Pb 328
Ti チタン 1727
W タングステン 3382
     ステンレス  1400〜1500

金属の融点温度から溶接の教科書には

溶融池(プール)の温度は鉄やステンレスの溶ける温度の1500℃以上

という書き方になっている。

 

よく使う鉄やステンレスは1500℃で溶ける。

 

合金鋼などは耐熱性が高いクロムなどを

添加し溶融温度を2000℃近くまで上げている。

 

Tig溶接の電極につかうタングステンは3382℃。

 

材料の溶融温度でその材料が高温に適しているか

どうかがわかるので参考にしてほしい。

 

溶融池(プール)の温度は何度?

金属の融点や溶接の教科書で1500℃以上なのはわかった。

実際,溶融池(プール)はいったい何度あるのか??

 

いろいろネットを調べていると

正確な溶融池(プール)の温度を調べるのはかなり難しいらしい。

 

溶融金属池の温度測定法と測定例について

この書類によると

溶融池(プール)には界域1と界域2があり

界域1は2000℃ぐらい

界域2は1800℃ぐらい

ということが推測されるらしい。

 

溶融池(プール)の温度からわかる3つのこと

1.アーク長は一定に保つ必要がある

アーク長は溶融池温度と深く関わっている。

 

アーク長が伸びれば溶融池温度が下がり,

溶け込み量も少なくなる。

 

溶融池温度を一定に保つことはアーク長を一定に保つこと

と同じで非常に重要。

 

 

2.母材温度と溶融池温度の差を考える必要がある

母材温度と溶融池温度が違いすぎるのも問題がある。

 

1500℃以上で母材を溶かすので溶接金属が,

なじみやすいように母材の温度を気にする必要がある。

 

薄肉はすぐに熱が伝わるため余熱する必要が少ないが,

厚肉は温度が低いと溶け込み不良をおこしやすいので,

余熱してやらなければならない時がある。

 

3.溶接は非常に危険な作業ということを理解する

溶接工は少なくとも1500℃以上の温度で溶ける

金属の近くで作業しており非常に危険な職種。

 

溶接工で一番多いケガはヤケド。

 

溶接火花や溶接時のヤケドは温度が高いため

傷が一生残る

そうならないためにも防保護具は必ず使用する。

 

まとめ

溶融池(プール)の温度は1500℃以上。

 

溶融池(プール)温度を知ることで

①アーク長は一定に保つ必要があること

②母材と溶融池温度の差を考える必要があること

③溶接作業の危険性

がわかる。

 

溶接の単純な疑問を理解することで

いろんな知識を得ることができる。

 

疑問→勉強→実践→検証→解決。

 

このサイクルを回せば回すほど一流の溶接工に近づく。

 

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