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【異材溶接】SUS304とSS400を溶接する時の【棒と注意点】

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【異材溶接】SUS304とSS400を溶接するときの【棒と注意点】

 

溶接初心者
溶接初心者

SUS304(ステン)とSS400 (鉄)を溶接したい!

溶接棒や注意点を知りたい。

 

溶接工
溶接工

【異材溶接】だね。

結論から言えば「309系」の溶接棒を使えばいいよ。

注意点とかもあるので詳しく説明するね!

 

本記事の内容は以下の通り

・異材溶接のSUS304(ステンレス)とSS400(鉄)の溶接棒がわかる

 

・異材溶接の注意点がわかる【ノウハウ有り】

 

・炭素鋼同士,ステンレス同士の異材溶接の溶接棒選定法がわかる

 

・溶接棒選定に困ったときの「裏技」がわかる

この記事を書いている俺は「溶接歴25年」の熟練溶接工。

保有資格はJIS溶接技能者(TN-P,T-1P,N-2P,C-2P),溶接管理技術者2級,管施工管理技士1級。

要するにベテラン溶接工で溶接の専門家。

 

本記事は,【異材溶接】SUS304(ステンレス)とSS400(鉄)の溶接棒は何を使えばいいのか?注意点はあるのか?という疑問に答える記事。

SUS304とSS400の異材を溶接する時使う溶接棒は?

結論:一般的には「309系」の溶接棒を使用する。

よほど特殊な場合以外は「309系」溶接棒を使う。

溶接棒の選定を間違った場合、溶接金属中のNi、Cr含有量が減少する。

なので,もろく割れやすい組織になる。

そこで、一般的にはNi、Cr含有量の多い「309系」の溶接棒を使用する。

「309系」の具体的な溶接棒名は下記の通り。

使ったことがある3社の製品名を紹介する。

被覆アーク溶接Tig溶接
神戸製鋼NC-39TG-S309
日本ウェルディング・ロッドWEL 309WEL TIG 309
日鉄溶接工業S-309・RYM-309

少量でいいなら

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SUS(ステンレス)はコストがかかる。

SS400(鉄)で代用できるところは、なるべくSUS(ステンレス)を使いたくないため異材溶接が発生する。

 

そこで発生する問題が,

溶接初心者
溶接初心者
溶接棒なんだったっけ??

 

現場レベルで「309系」の棒がない場合,SUSの方の棒「308」を使えばいい!とかSSの方の棒「TG-S50やLB-26」を使えばいい!とかいう職人さんがたまにいるが間違い。

ちゃんと「309系」の溶接棒を使ってほしい。

過去にSUS304とSS400の溶接を「309系」を使わずに適当な溶接棒で施工したら「二番割れ」が起こったり,溶接ビード中央部で「割れ」が入ることがあった。

 

適正な溶接棒がなければ溶接は不可。

知識ないのに勝手に溶接棒を使用するのだけはやめよう。

異材溶接の注意点【SUS304とSS400】

SUS304とSS400を異材溶接する場合の施工上の注意点を紹介する。

  1. 材質が間違いないかミルシート,刻印などで確認する
  2. 溶接棒が間違いないか溶接前に確認する
  3. 溶接する開先などに黒皮や塗料などがないか確認する
  4. 電流などは「鉄側」に合わせ若干(気持ち程度)ステンレス側にアークを向け溶かす
  5. 急冷はしない
  6. 溶接後「割れ」がないか自分で目視検査する

①,②,③,⑤,⑥は基本中の基本で異材溶接だからといって特別なことはない。

 

については溶接職人のノウハウになるが,鉄の方がステンレスに比べ溶けやすいためアークを若干(気持ち程度)ステンレス側に傾けると「溶接ビードの落ち着きがいい」から俺はそうしている。

これは絶対そうしなければならないと言うわけではなく,経験からそうしているだけなので色々試してみてほしい。

 

 

※異材溶接の学術的なことを知りたいなら下記記事も参考にしてほしい。

炭素鋼同士,ステンレス同士の異材溶接の場合

炭素鋼同士,ステンレス同士の異材溶接時:低グレード側の溶接棒を使う

STPG370とSTPA22とか。

SUS304とSUS316とか。

炭素鋼同士,ステンレス同士でも番手が違っていたり,クローム量が違っていたり。

配管溶接ではよくでてくる。

 

基本的な考え方は低グレード側の溶接棒に合わせる

  • STPG370STPA22の場合だと低グレード側は「STPG370」なので溶接棒は「TG-S50」でOK。
  • SUS304SUS316の場合では低グレード側は「SUS304」なので溶接棒は「TG-S308」となる。

※神戸製鋼の溶接棒を例にした

理由は高グレード側配管の溶接棒を使用しても,低グレード側配管自体の強度はそのままのため溶接部だけ強度を上げても意味がないため。

異材溶接棒選定に困ったときの「裏技」

溶接棒の選定は強度に影響するため,かなり重要。

知識がないのに「思い込み」で溶接棒の選定するのは,避けたい。

現場や工場で溶接棒の選定に困ったときの「裏技」が,神戸製鋼の溶接部門を活用すること。

 

下記に電話して「材料」と「溶接方法(TIG等)」を伝えて溶接棒を教えてもらってる。

神戸製鋼国内営業部

東日本営業室(溶接材料)03-5739-6323

電話すると懇切丁寧に教えてくれる。

神戸製鋼の溶接棒カタログもダウンロードしておくといい。

神戸製鋼溶接カタログ

 

※ただし,「重要な構造物」や「設計図などがあり溶接棒の選定ミスにより重大な結果を招く箇所」は発注者に溶接棒を決定させるように!

【異材溶接】SUS304とSS400を溶接する時の【棒と注意点】:まとめ

まとめ

SUS304とSS400の溶接棒は「309」

炭素鋼同士,ステンレス同士の異材溶接は「低グレード側の溶接棒」

困ったときは神戸製鋼にテレフォン!

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