溶接の知識

【雨の日に溶接】感電だけじゃない!7つの注意点【リスクを排除】

【雨の日に溶接】感電だけじゃない!7つの注意点【リスクを排除】

 

溶接初心者
溶接初心者

雨の日に溶接することになった…。

感電だけに気をつければ大丈夫だよね??

 

溶接工
溶接工

えっ…。

雨の中での溶接は感電のリスクだけじゃないよ。

荒天時は安全・品質不良リスクがグッと上がるから注意だよ。

詳しく説明するね!

 

本記事の内容は以下の通り

・雨の日に溶接する時,注意すべき点がわかる【7つある】

 

・雨の中で溶接する時の「服装・災害事例」も紹介

この記事を書いている俺は「溶接歴25年」の熟練溶接工。

保有資格はJIS溶接技能者(TN-P,T-1P,N-2P,C-2P),溶接管理技術者2級,管施工管理技士1級。

要するにベテラン溶接工で溶接の専門家,最近は「管理者」としての立場も多くなってきた。

溶接工の全てがわかる!記事はコチラから

 

本記事は,「雨の中での溶接作業における注意点」を書いた記事。

  • 工事工程上,雨でも溶接しないと間に合わない
  • 雨の中での溶接ってどう管理すればいいの?

って人にはおすすめの記事。

【大前提】雨での溶接作業は基本禁止【感電は怖い】

「雨での溶接作業 7つ注意点」の紹介の前に,大前提として雨での溶接作業は基本禁止。

 

その理由は,

  • 感電し死亡災害につながる恐れがあるから

雨で体が濡れると電気抵抗が下がり電気が流れやすくなる。

  • 通常時の人体の電気抵抗=約5,500Ω
  • 雨で濡れた人体の電気抵抗=0〜300Ω

上記の電気抵抗を見れば一目瞭然。

 

雨で体が濡れると電気抵抗はないも同然になり感電のリスクがグッと上がる。

1mAピリッと感じる
5mAちょっと痛い
10mA我慢できない
20mA痙攣・動けない
50mA=0.05A非常に危険(命の危険)
100mA=0.1A致命的

人体に0.1A以上の電流が流れると「致命的」と言われている。

 

雨での溶接で感電となると,

交流アーク溶接機無負荷電圧(約30V)÷雨で濡れた人体の電気抵抗(約300Ω)=0.1A

となり死亡は確定する。

条件さえ整えば,あっさり感電死亡事故が起こる。

 

なので基本事項として,

雨での溶接作業は原則禁止

ということは覚えておいて欲しい。

 

※ちなみに「大量の発汗」にも注意。バケツで水をかぶったような汗の場合,雨天時の溶接とほぼ同等の感電の危険がある。

雨での溶接作業 7つの注意点

先日こんなツイートをした。

【雨の日に溶接】

雨の中で溶接する時は感電に注意することは,もちろんだが他にも,

・溶接棒の吸湿
・風
・雨による急冷
・機械装置の養生・点検
・溶接後検査の方法
・溶接以外での感電(Grやドラム)
・養生シートが燃える・飛んでいく

などに注意する必要がある。

雨での溶接はリスクが高い。

雨での溶接は注意点が多くリスクが増える。

できれば作業したくないが,工程上やむを得ない場合もある。

上記のツイートを深堀し,リスクをなるべく下げれれば幸いだ。

 

1.溶接棒の吸湿

溶接棒が吸湿すると,

  • 割れやブローホールなどの欠陥の原因になる
  • 感電事故が発生しやすくなる

上記の理由から,溶接には水分は大敵。

そのため溶接前には,溶接棒を乾燥させたり,母材を予熱したりあらゆる手を使って水分を排除している。

にもかかわらず雨の中で溶接。

車を雨の中で洗車しているようなもの。

雨の中で溶接作業するなら,まずは溶接棒を吸湿させないようにしてほしい。

 

2.風

溶接中に風が吹くと,

  • シールドガスが吹き飛ぶ
  • 火花が思わぬ方向に飛散する

上記の理由から,風に注意しなければならない。

 

雨と風はほぼセット。

ラーメンとチャーハンみたいなもん。

雨があれば風がある。

溶接中にシールドガスが吹き飛ぶと「ブローホール」「溶け込み不良」などの欠陥につながる。

火花も思いのほか飛散し,引火しやすいものが近くにあると火事へ。

 

雨での溶接作業は,風のことも考え養生する必要がある。

 

3.雨による急冷

溶接ビードが雨で急冷されると,

  • 割れにつながる恐れがある

上記の理由から,雨での溶接作業が終わってもすぐには養生を撤去せずにしばらく置いて溶接ビードの急冷を避ける必要がある。

 

高温の材料に水をぶっかけると,材料は歪み変形しようとする。

その過程で割れが入る。

 

忘れがちだが雨での溶接作業はビードに直接雨がかからないようにしたい。

 

4.機械装置の養生・点検

機械装置とは,「溶接機」「発電機」「グラインダー」「バンドソー」など。

 

機械装置が雨で濡れると,

  • 漏電し感電の恐れがある
  • 機械装置が壊れる

上記の理由から,機械装置は使う前に点検し,雨で濡れないように養生する必要がある。

いくら防水だからといって自分のiPhoneを雨ざらしにしないように,機械装置も自分のもののように扱うことが大事。

 

雨での溶接作業は点検と養生をこまめに行うのが基本。

溶接機は「電撃防止装置」

その他の機械は「ブレーカー」

がしっかり作動するか確認しておこう。

 

5.溶接後検査の方法

雨での溶接は欠陥が入りやすい。

溶接後検査を何で行うか?は考える必要がある。

  • PT(浸透探傷検査)
  • UT(超音波探傷検査)
  • MT(磁粉探傷検査)
  • RT(放射線検査)

特にPTは雨(湿度高)を嫌うので注意が必要。

溶接後検査によっては,わざわざ雨の中で溶接しなくても検査ができないので後日という場合もある。

検査方法の確認も雨の日に溶接作業するなら事前に知っておきたい。

 

6.溶接以外での感電(Grやドラム)

雨の日は溶接の感電ばかりに注意して,溶接以外での感電は忘れがち。

しかし,溶接以外の感電の方が危険度は高い。

100V機器で感電すれば,あっと言う間に天国行き。

 

例えばグラインダーで感電したら,感電に気づいても手から離せない。

離せないというより離れないのだ。

筋肉が痙攣し体が言うことを聞かない。

グラインダーを離そうと頭では思うのだが,筋肉は萎縮しさらにグラインダーを握ってしまう。

実はこれは俺の体験談。

同僚に手を蹴ってもらって,やっとグラインダーが手から落ちた。

 

溶接以外の感電にも細心の注意が必要なのが,雨での溶接作業。

 

7.養生シートが燃える・飛んでいく

養生シートが雨風で飛んで行き,電線にひっかかり停電。

溶接火花がシートに燃え移り火事騒ぎ。

なんて事例は腐るほどある。

 

設備を直しに来たのか?壊しに来たのか?と言われないように,養生シートの固縛,火事対策は大事。

防炎タイプの養生シートを使うのはもちろんのこと,固縛する時は絶対に飛んでいかないよう養生しよう。

雨での溶接作業【服装】

雨での溶接作業では「絶縁」を意識したい。

絶縁体・・・ゴム・ガラス・プラスチック・木

溶接作業として上記で使えるのは「ゴム」と「木」だろう。

 

雨での溶接作業時の服装としては,

ゴム手

ゴム長

足元に「木の足場板」

を基本としている。

 

少し深堀すると,

ゴム手は下記の薄手のゴム手を二重にし使用。

この上から普通の乾いた革手袋を着用する。

 

ゴム長は下記のもの。

熱や火花には弱いがグリップ力は抜群。

雨天時のスリップ事故を防いでくれる。

 

木の足場板は持ち運びしやすいサイズに切り足元に敷いて使う。

直接母材の上に乗るより幾分かはマシだろうとおまじない程度で使っている。

 

ちょっとした事かもしれないが,意識するのとしないのとでは大違い。

「自分は大丈夫だろう…」と思わず,ちょっとでも感電しないように積み重ねるのが大事。

 

感電したら試合終了。

雨での溶接作業【災害事例】

鋼製スロープの製作中に溶接棒が横腹に接触、感電し死亡

職場の安全サイトより

 

溶接機の電撃防止装置故障による感電死亡事故

電気と九州(H28年1月号掲載)

 

感電か?電気溶接の練習中に男性死亡 (平成27年8月17日)

今日も無事ただいまより

 

作業者の作業方法不良による感電死亡事故

中部近畿産業保安監督部北陸産業保安監督署より

 

猛暑の中でのアーク溶接作業中に感電死

http://www.3k-glove.com/image/SAI_DET_029.pdfより

 

上記の災害事例を読み込んでいくと次のような特徴がある。

  • 大量の汗
  • 湿潤な環境
  • 狭い場所
  • 電撃防止装置の不備

上記のような条件が整うと感電死亡事故が起きる。

溶接のホルダーやトーチは「銃」と同じ

という気構えで取り扱い,使用環境に注意する必要があるだろう。

【雨の日に溶接】7つの注意点:まとめ

まとめ

原則,雨の中での溶接作業は禁止!

それでも工程上やむを得ない場合は,感電に注意。

 

感電以外でも注意すべきは7点あり,

  1. 溶接棒の吸湿
  2. 雨による急冷
  3. 機械装置の養生・点検
  4. 溶接後検査の方法
  5. 溶接以外での感電(Grやドラム)
  6. 養生シートが燃える・飛んでいく
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